桑原 聴音探照所(特設見張所)


桑原 聴音探照所(特設見張所)(2007.2.3)



郷原カントリークラブ(ゴルフ場)の北にある標高350mの山頂付近に桑原聴音探照所の遺構が残っている。山頂の近くに鉄塔があり、鉄塔道が整備されている。ゼンリンの地図には北からの道が記入されていたので北側からの鉄塔道を登ったが、登って直ぐの鉄塔の所までで整備区間が終わっており、標高270mから標高310mまで半ば藪に埋もれた旧鉄塔道を登らされる羽目に。降りる際は標高310m付近から鉄塔道沿いに東へ進み、変電所の南側の車道へと出た。登る際はこちらから。



左:全体図、右:主要部拡大図



米軍の航空写真(R462-55、国土地理院)





左:円形窪地B、西から、右:同左、北東から


左:円形窪地Aを北西から、連絡路の溝が見える、右:円形窪地A


左:円形窪地Aの南縁、右:同左の西縁


左:円形窪地Aの北縁、右:同左を引きで


左:Aの南東にある凹み、右:Aから南東方向


左:平坦地C、右:Cの南に伸びる尾根上にある半円形窪地


左:鉄塔の建つ平坦面、右:岩山を望む


左:全体図、右:主要部拡大図



頂上付近に3つのピークが並んでおり、西側の二つのピークに遺構が残っている。戦争末期の造成の為か、それ以外に遺構らしい遺構は見つからなかった。
西端には直径3.5m、内径2m、北東側に開口部のある円形窪地Bがある。凹凸が殆ど無くかろうじて判るくらいしか残っていない。探照灯の管制器が置かれていたのではないだろうか。
中央のピークには円形窪地Aがある。内径は約5m、北西側に開口部があり、その先にはくの字に曲がった連絡路(もしくは鉛管を掘り出した跡)らしき溝が続いている。また窪地内の南東側には凹みが設けられている。恐らく探照灯が置かれていたのではないかと思われる。
東端ピークにも平坦地があるが、明確な加工痕は無い。またA-B、A-C間の尾根上も平坦地になっているが、それ程広いものではない。周辺の斜面も確認してみたが、見える範囲ではこれと言ったものは見つからなかった。
Cから南に下りる尾根上に、連絡路らしき溝(中世山城で言うところの竪堀)みたいなものと、尾根を削った半円形窪地があったが、遺構かどうかは判らない。
鉄塔が建っている辺りも辛うじて平坦地っぽく見えないことも無いようにも思えるが、確認のしようがない。景色が良く、ここから東には岩山を、北東には黒瀬町の盆地を望むことが出来る。

麓で畑を耕していたおじいさんに話を伺ったところ、山頂に丸太の皮を剥いで黒いペンキを塗った偽装砲が据えられていたそうである。


日付 呉海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和19年11月 150cm探照灯1、空中聴測装置1、熊野砲台に装備すべきを上所に変更
昭和20年8月31日 引渡:
96式150cm探照灯及び同管制器、付属品補用品共、電動直流発電機 1基

用地:13400m2、建物:150m2



ここから以下のページへいけます。