左:櫓を北西側から、右:指揮所Bから電探台Aを
西側のピークには電探台Aがある。一段盛り上げた上に11号電探のコンクリート基礎があり、3方向に階段がある。基礎には直径約3cmのアンカーボルトが8本、直径212cmの円周上に配置されている。そしてこの円周の内部に入り込む形で内幅25cmの溝が付けられている。恐らくは電線ケーブルを引き回すためのものかと思われる。このアンカーボルトの本数と配置から、11号電探の基礎であると思われる。
そして面白い事に、8本xφ212cmのアンカーボルトとは別に、2組のアンカーボルト植え付け用の穴が設けられている。一つは直径約135cmの円周上に8ヵ所の穴(直径約10cm)が開けられており、またもう一つは直径約85cmの円周上に4ヶ所の正方形穴(1辺約10cm)と3ヶ所の丸穴(直径約10cm)とが、多少いびつながらも8ヵ所目が溝上になるように、ほぼ均等に開けられている。「電波探信儀名称付与標準案」
[1]によると2式1号1型電波探信儀は、ノーマルから改1になる際に、旋回盤が甲一型から甲一型改一に変更があったと書かれていること、また戦時日誌から昭和17年中頃と比較的早い時期から電探工事が始まっていることから、ノーマルの基礎寸法でアンカーボルト植え付け用の穴を開けたものの、後に改一に変更となり、改めて開け直したのではないかと邪推してみる。ただ、そうなるともう一組の方が余ってしまう。他で最も近そうなものはヱ式聴音機が8本×φ70cmだが、寸法的に厳しいものがある。