飛渡瀬 探照灯台
2023.8.31 更新
2023.9.9 内容全面修正


右:終戦後の米軍の航空写真(M2-6-11、国土地理院)

 航空写真の画像から「飛渡瀬探照灯台は既に削られた」という内容の記事を書いて更新していたところ、広島湾を中心に旧陸海軍関係の遺構探索をされている妖怪酒隠し様(Twitter、Xのアカウント名)から、別の場所に存在しているとのご指摘を受けました。このピークは昭和12年発行の水路図に「櫻山 197m」と書かれているとのこと。
 現地写真を見せていただいた所、探照灯掩体の明確な内径5mの円形窪地こそ見当たらないものの、管制器らしい小型の円形窪地や、煉瓦構造物の残骸やコンクリートの欠片、平坦地等の施設跡らしい遺構が残っており、恐らくここが飛渡瀬探照灯台になるのではないかと思われる。この尾根には北下の車道から容易に取り付けるそうである。

 改めて航空写真を見てみたが、これまでの認識であれば探照灯施設としては識別できない。探索候補地には上がらなかったわけである。このことを踏まえて、今後は頭を切り替えなければならない。

 「既に削られて残っていない。地元で一本松と呼ばれている木の近くにあった」という、いつものYさん情報は、私のうろ覚えだったこともあって少なくとも前半部は間違っており、それ以前にYさんから聞いていた「地元の話だと、運動公園の北西側の尾根筋にあるらしい」という情報の方が正しいことが証明されてしまったことになる。(戦後、車道の切通で分断されてしまったが、真道山から南に続く尾根上にあるので間違っては無い筈)




青色×印:空振り地点、青色〇印:誤爆地点、赤色〇印:正解地点


 改めて、これまでの探索の空振り地点と正解地点とを並べてみるが、2007年当時、もうちょっと頑張って探していたら見つかったのかもしれない。
来歴
日付 呉海軍警備隊戦時日誌[1][2]等による記事
昭和19年11月 150cm探照灯1 新設 官房艦機密第4992号に依り工事中
機密呉鎮守府命令第443号
 秋月、吉松山、音戸、情島、新開、飛渡ノ瀬、三高、毘沙門、小仁方に探照灯台設置を令す(呉鎮)
昭和19年12月 探照灯台 工事中
昭和20年1月 探照灯台 工事中
昭和20年2月 新配備 探照灯台
探照灯台 工事中
昭和20年8月31日 引渡:[3][4]
96式150cm探照灯及び同管制器、付属品補用品共、電動直流発電機 1基

用地:6500m2、建物:200m2(大柿)
用地:43987m2(大柿)