小屋浦 聴音探照所(特設見張所)
小屋浦 聴音探照所(特設見張所)(2007.1.28)
米軍の航空写真(M308-27、M283-7)
米軍の航空写真(M308-27、国土地理院)
米軍の航空写真(左:M283-8、右:M308-27、国土地理院)
左:米軍の航空写真(M2-6-82、R462-13)
天狗城山から北西に伸びる尾根上のピークに、小屋浦聴音探照所がある。荒れかけているものの、天狗城山から小屋浦の集落に降りる山道が通っており、アクセスは容易である。
米軍の航空写真を見ると、西の谷に兵舎らしきものが写っている。地元の方の話にも同じ場所に兵舎が出てくるのであることは間違いなさそうだが、山が荒れていて入るのが難しそうである。南東にも何かありそうだが、軍道っぽいものが見つからなかったので諦めた。
また、小屋浦は探照灯が2基配備されているのだが、2基目の探照灯はどこに置かれていたかというのは不明である。
1つ目の候補は天狗城山の山頂の北東の辺りで、航空写真に何らかの施設っぽい影が写っている。2つ目の候補は、円形窪地から尾根沿いに南東へ下がった先に、航空写真で方形窪地が写っている所がある。方形窪地のすぐ近くに、明らかに形状のおかしい畑が写っており、ここに円形窪地があったものの終戦後速攻で埋め戻されて畑になってしまったのではないかとも考えられる。天狗城山に登ってみて遺構が見つからなければ、2つ目の候補地が2基目の探照灯の位置である可能性が高くなるものの、発掘調査でもしない限り決め手には欠けたままである。
左:円形窪地Aの南側の縁、右:円形窪地Aの北側の開口部
左:円形窪地Aを南から、右:平坦地C
左:窪地Bを南から、右:窪地Bを北から
左:窪地Bと繋がっている壕、右:壕の内部
左:壕出口に北から回りこんでいる軍道?、右:北の尾根上にあった穴D
左:西の尾根に続く溝E、右:同左
ピークにある平坦地Cの東端に内径が5mくらい(目測)の円形窪地Aがあり、北側に開口部が設けられている。
Aの東下には窪地Bがある。2mくらいの深さがあり、形はL字とも言えないいびつな形をしている。またこの窪地と東下斜面とを結ぶ壕が掘られている。出口には北側から軍道らしきものが回りこんでいるが、どこに通じているかは不明である。
平坦地Cの北側の尾根には直径1m程の窪地Dがあるが、この辺りは畑だったので肥溜めの可能性もある。
南西側へ続く尾根上には、幅30cmくらいの溝が続いている。地元の方の話によると連絡用の塹壕だったそうだが、幅が狭いので何らかの管もしくはケーブル類が埋められていたものかもしれない。
日付
呉海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和17年3月
将来砲台建設要望
昭和20年8月31日
引渡:
96式150cm探照灯及び同管制器、付属品補用品共、電動直流発電機 2基
用地:6500m2、建物:200m2
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