大向の防空高角砲台・聴音探照所





大向 防空高角砲台・聴音探照所(2006.4.28)


右:米軍の航空写真(M2-6-2、国土地理院)


左:北部を拡大、右:南部


倉橋島の南西端の尾根上に、大向(おおこう)防空高角砲台、後に聴音探照所があった。航空写真を見ると、235mピーク付近に聴音探照所関係の施設が、170mの尾根上に高角砲台の施設が写っている。倉橋町史によると、石垣造りの砲座やコンクリート製の兵舎や水槽が残っているらしい。




追記(2016.1.11)

てつまろさんという方から、「最近になって麓から岳浦山(大向砲台の北東上)までの登山道が整備された」という情報を頂いた。軍道は辿れないものの遺構は殆ど通っているので、時間を見つけて再チャレンジしてみたい。








左:砲台の山を南から、右の道路が団地への入り口、右:軍道だが藪に埋もれている



左:藪に埋もれた軍道、右:団地へと続く軍道



結果としては藪が酷くてたどり着けなかった。

倉橋島の南西端の岬付近に、別荘団地が造成されている。この団地の奥に造成途中で工事を中断してしまった区域がある。その北東隅に崖崩れで、軍道が崩れた場所があり、ここから取り付いた。
巾1.5mの勾配の緩やかな軍道が続いている。50m程は鉈で潅木や棘を切り開きながら進んだものの、段々と藪が酷くなってきたので探索を諦める。登山道は、この軍道を藪漕ぎしながら進む他無いようである。
またこの軍道は、崖崩れの場所から南にも延びており、別荘団地の西側中央に出ている。当時はこの軍道が岬の辺りまで続いていたのだと思われる。

団地で老後の生活を楽しんでいた爺さんの話によると、砲台跡に慰霊碑を建てるという計画があるらしい。もし本当の話なら、それを待ってから突入しても良いのではないか。




日付 呉海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和12年9月4日 官房機密第3562号
昭和12年11月 竣工
昭和16年11月 防空砲台、第二砲台群(下士官5、兵14)
機密呉鎮守府命令第394号、大向、高烏山砲台8cm砲各1(付属兵器共)灰ヶ峰砲台に移動作業開始
准仕官以上2、下士官兵81、有線電話
8cm高角砲3門、ステレオ式2m測距儀1、110cm探照灯1
90式2型聴音機1、石油発動機1
准士官以上2、下士官8、兵66  
昭和16年12月 防空砲台  
昭和17年1月 防空砲台  
昭和17年2月 官房機密第1979号訓令に依り呉軍港防空砲台(大向、烏帽子、螺山、灰ヶ峰)変電所新営工事施工の件指令す(呉鎮)
官房機密第2216号訓令に依り大向、烏帽子、螺山及灰ヶ峰防空砲台電気施設増設の件指令す(呉鎮)  
昭和17年3月 将来砲台建設要望(?)
昭和17年4月 3年式40口径8cm高角砲3門、ステレオ式2m高角測距儀1
須式110cm探照灯1、90式2型聴音機1
89式高角射撃盤2型1
セミディーゼル発電機1
3号通常弾薬包改一900
89式高角尖鋭高射信管及2号撃発火管3型900
38式小銃6丁
配員 下士7(臨9)、兵15(臨31)分隊長のみ
昭和17年6月 探照灯用部外電力用変圧所新設中
昭和17年7月 探照灯用部外電力用変圧所新設中
昭和17年8月 8cm高角砲3、89式射撃盤1、110cm探照灯1、ス式2m測距儀1
観測鏡2、7倍双眼鏡2、6倍双眼鏡1
12cm高角双眼望遠鏡1、8cm高角双眼望遠鏡1
昭和17年9月 防空砲台第2砲台群  
昭和18年1月 防空砲台(第3砲台群)  
昭和18年6月 機密呉警備隊命令第41号(18.6.25)、警戒隊派遣、准士官1、下士官兵5  
昭和19年3月 官房艦機密第157号(19.1.14)「支那方面及内地防空砲台新設並に整備の件」訓令により8cm高角砲3門撤去
既設大向白木山高角砲台砲撤去照聴所として残置
昭和19年6月 既設照聴所
昭和19年7月 既設照聴所
昭和19年8月 既設照聴所
昭和19年9月 既設照聴所
昭和19年10月 既設照聴所、110cm探照灯1
昭和19年11月 150cm探照灯1(?) 完備
昭和19年12月 150cm探照灯1(?)、空中聴測装置無し 完備
昭和20年1月 150cm探照灯1(?)、空中聴測装置無し 完備  
昭和20年2月 150cm探照灯1(?)、空中聴測装置無し 完備  
昭和20年8月31日 引渡:
須式110cm探照灯及び同管制器、付属品補用品共、電動直流発電機 1基
焼玉直流発電機110V三相27.5KVA付属品共 1基
建築物 兵舎1、其ノ他付属施設4

用地:6499m2、建物:69m2(特設防備衛所)



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