大瀬崎 特設見張所






米軍の航空写真(M804-51、国土地理院)


国土地理院の航空写真(CKU774-C47-2)


右:引渡目録での配置図(新資料を基に修正)


航空写真を見ると、福江島の南西端にある大瀬山山頂に施設らしきものが写っており、恐らくこれが大瀬崎の特設見張所かと思われる。大瀬山は頂上に展望台があり、そこまで車道が通じている。日露戦争時には大瀬山山頂に見張用の望楼があり、ここからバルチック艦隊発見の電報が打たれたそうである。

戦時日誌や引渡目録を見ると、電波探信所と見張所の2ヶ所に分けられて書かれており、写真に写っている場所の他にも施設があるのかもしれない。



追記(2016.3.6)

 五島列島の海軍施設を調査されているFさんから、以下の資料内にある大瀬崎の配置図を送っていただいた。

「長崎県管下砲台見張所兵器弾薬施設一覧表」 佐世保海兵団(佐警) 昭和20年10月3日(海上自衛隊 佐世保史料館(セイルタワー)所蔵)


これを見ると、これまで参考にしていたものと異なり、特に南北が逆で、電探や逆探、桟橋などの、無かった記述も含まれており、それを基にして配置図を修正した。







日付 佐世保海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和16年12月 特設見張所
昭和17年7月 官房機密13164号、電波探信儀装備予定
昭和18年5月 施本機密8864号、電探装備の件、工事完了
昭和19年7月 機佐鎮243号、7/30、13mm連4
昭和19年9月 配置図:電波探信儀1(工事中?)、13mm連4、8cm平射2
付表:特設見張所(戊)
昭和20年4月 配置図:電波探信儀1(工事中?)、13mm連4、8cm平射2
付表:特設見張所(戊)
昭和20年5月 電波探信所工事中
昭和20年?月 引渡(引渡目録):
電探4、中波送信機1、短波送信機1、受信機1、無線電信機1、電波鑑査機1、探知機1
8cm平2、25mm2、13mm連4(大瀬崎 見張)

兵舎 木造平屋1 20m2、見張所 木造一部二階1 16m2
付属家屋 木造平屋6 50m2


引渡(米軍資料):
電波探信儀:2式1号1型 1基、2式1号1型改3 1基、3式1号3型 2基
レーダー傍受受信機1
95式短波送信機1、2式5型送信機1、無線送信機1、無線受信機1
12cm高角双眼鏡1



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