武山 防空高角砲台



米軍の航空写真M46-A-7-2-187(国土地理院)



米軍の航空写真M46-A-7-2-188(国土地理院)



全体図



左:米軍の航空写真M46-A-7-2-205(国土地理院)、南部の謎の施設


航空写真を見ると、不動尊で有名な武山の東側の標高204mの山頂部に3基の砲座が写っている。また砲座の南東側には兵舎、北側にも小さ目の建家、そしれ北東下には発電所らしきものが写っている。
戦時日誌の記事と建設時期を考慮するに、2ヶ所の聴測所があるはずで、砲座から武山へと続く尾根上の施設と、兵舎の南側に続く尾根上の施設がそれらしいと思われるが、砲座から近すぎるのと、この2つの部分の遺構の写真がWebに載っていないので判断できない。

また砲台の施設とは関係ないが、三浦海岸と武山の間に謎の施設が写っていた。電探施設、というよりも通信施設か何かだろうか。


現状は、砲座付近には電波塔が建っているものの、2基の砲座と付属施設(破壊されているが)は残っているらしい。西側、南側の聴測所候補地も、正しければ何かしら残っているだろう。




日付 横須賀海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和16年11月 昭和16年 官房機密565号
8cm高角砲4門、須式110cm探照灯2
サ式4.5m高角測距儀1
未装備、兵員未配備
昭和16年12月 配備予定の8cm高角砲4門を衣笠に仮設置、12/18完了
昭和17年1月 聴測所、2月末予定
8cm高角砲4門を衣笠に変更
昭和17年3月 工事中、高角砲未装
昭和17年4月 探照灯2基4/10装備、高角砲未装
昭和17年5月 8cm未装
昭和17年6月 S17.4.28、探照灯のみ配備
昭和17年7月 7/26、衣笠から8cm高角砲4門を移設工事
昭和17年9月 高角砲工事中
昭和17年10月 高角砲工事完了
昭和18年8月 施設一覧:8cm高角砲4門
昭和19年11月 官房艦機密第6379号、
8cm高角砲4門を12.7cm連装高角砲2基に換装予定
昭和20年8月 引渡:
12.7cm連装高角砲2基、弾455発、2式陸用高射器1
98式4.5m高角測距儀1
96式150cm探照灯1、須式110cm探照灯2
13mm連装機銃2基、13mm機銃1、弾0発



ここから以下のページへいけます。