大戦間の時代シュナイダーカップレースで、英国のスーパーマリーン社と覇を競った伊のマッキ社は、大戦前夜の空軍の近代化計画(R計画)に優れた水上レーサー機を設計したマリオ・カストルディー作のMC200サエッタを作って応えた。
フィアットのA76RC38 空冷複列星形14、870馬力エンジンは出力不足だったが期待の洗練と相まって、同じエンジンを積んだライバルフィアットのG50よりも機体性能は勝っていた。強力なドイツ製DB601A液冷、1100馬力エンジンが国産化されると、これをMC200に載せ替える試みがなされ、胴体を改設計して生まれたのがMC202フォルゴーレだった。性能はさらに向上し北アフリカと本土で連合軍機を相手に活躍した。イタリア戦闘機としては複葉のCR42ファルコと並んで有名と思う。
キットはハセガワらしい、そつの無い出来。コックピットなどは特別手を入れていないが、イタリア機としては有名な部類なので資料も比較的多いので作る人次第と思う。
直線的な主翼と優美な胴体のラインが美しいアングル。胴体は同エンジンのMe109Eや三式戦と違い丸みの強い断面が特徴。
マーキングはハセガワのインスト指定の第53航空団、第150航空軍、第363中隊機。塗装は全てMr.カラー。
下面色のストーングレーはガルグレーから調色してみた。
優美な背後からのラインと違い、DBエンジンの機首が精悍さを見せるアングル。
DB601エンジンを積んだ事によりMe109や日本の三式戦、彗星艦爆などと共通するフォルムの機種。
それでも細かく突起が多く、他の兄弟たちと趣を異にしている。
いかにもイタリアなスタイルを見せる、胴体背中から尾翼にかけて。
背のラインはフィアット機やレッジアーネの機体にも同様なスタイルが見られる。
強力なエンジンによるプロペラ回転のトルクを常時打つ消すため、左右の主翼の長さを変えているという変わった設計が分かる。
本機はイタリア王国政府の講和後のマーキングの機体も写真に残っているが、ファスケスが蛇の目になると相当に雰囲気が変わるのが面白い。