レジンキットのコンブリックの工作です。ヨーロッパの覇権争いで成せなかったロシアの課題、その達成場所として次に注目したのが極東地域でした。経済・軍事の要ともなる不凍港、まさにその獲得を目指した戦略こそがロシアの極東政策でした。その戦略の基盤となった港がウラジオストックという港町、その名前を訳せば「東を征服せよ」とストレートな意味でした。ロシアは念願の不凍港である旅順港を得るのですが、結果的にそれが日本を大きく刺激し、日露戦争へと発展します。強力な極東のロシア艦隊は旅順に集められましたが、修理や整備といった施設の充実したウラジオストックにも巡洋艦が残っており、ウラジオ艦隊(ロシア、リューリック、クロモボイ)として、大いに日本を悩ませました。
艦隊決戦を前提にした日本の巡洋艦とは違い、通商破壊、遠洋航海が前提にあり、12000tと大型船でありながら、大口径の砲塔は一切装備してませんでした。通商破壊を目的に作られた艦船だけに、日露海戦においても、その運用に徹底し、最も日本の被害をもたらせた艦隊の巡洋艦です。最終的には、上村彦之丞率いる日本の巡洋艦艦隊に航行不能にまでボコボコにされますが、大戦中、もっとも戦果を残したロシア艦船と言えます。
タンブルファームのラインにずらりと並んだ砲身と4本の煙突の独特のシルエットが活かしてます! 有名なUボートと同じく、貨物船や輸送船を狙うことに徹底する戦法はかなり姑息な気がしますが、安全かつ確実に戦果を望めて有効なのだから、合理的な運用と思えます。しかし、これに狙われた商船にしてみれば、戦艦並の巨艦が高速で狙ってくるのだから、とても恐ろしかったでしょうね。あ〜オソロシア〜(すみません、これが言いたかっただけです 汗)
当時の日本の巡洋艦より、一回り長い感じ。長さなら三笠よりも長い船です。舷側に並ぶ砲身が格好いい!
3本マスト、ずらりと並ぶ4本煙突と吸気管が活かしてます!日本の巡洋艦(当サイトの八雲)なんかと比べると違いが面白いっす!
艦首に一門だけ砲があるのも好きなところですね。
ウラジオ艦隊には同じ様な艦型のクロモボイと古いラインが独特のリューリックが合わさって3隻で編成されていました。
どれも同じ位の大きさなんで結構、迫力あったと思います。
帝政ロシアの巡洋艦は、軍艦でもどこか優美で遊びのラインが感じられます。
日本の巡洋艦は、攻撃力重視の準戦艦といった趣。後に「飢えた狼」と形容される傾向はこの時から始まったのかもしれませんね〜。