WSWのレジンキット、WW2時代のイギリスの軽巡洋艦、HMSシーラの制作です。マニアックなイギリス巡洋艦なのですが、特に特徴のあるダイドー級にあって、更に派生型となるこの船。拡大する航空機からの驚異に対抗すべく、防空装備を主体に設計された防空巡洋艦といった位置づけです。ダイドー級の特徴である、2連装の13.2センチ対空砲塔は戦艦キングジョージの装備と同じ砲塔。順次竣工するダイドー級に砲塔の生産が間に合わず、代用品としてこのシーラの様に11.2センチ砲塔に変更したタイプも生まれています。海洋大国イギリスにあって、海防の拠点があまりにも多い状況、莫大な費用を食う軍艦の絶対数は常に不足していました。とにもかくにも、通商破壊に力を入れてきたドイツの存在もあって、制海権の完全な確保どころか、拠点の物資を運ぶ輸送船団の護衛で精一杯の状況、イギリスの巡洋艦は、船団護衛や防衛を目的に作られた艦種としての役割が強くあります。このダイドー級も対航空機の主装備ですが、積極的な航空機の撃墜というよりは、強力な弾幕による航空機への威嚇こそが何よりの存在価値だった様です(KUBOやんさん!勉強になるっす!)。旋回速度が遅く対空砲としてはイマイチだった13.2センチ砲より、11.2センチ砲の方が撃墜数が多かったらしいのですが、細身で小さな船に 合計8門(4砲塔)の主砲に加え、8門(2砲塔)のポムポム砲、8門のエリコン機銃が繰り出す弾幕は凄まじかったはず。船団に航空機を近づけないことには充分な威力があったと思われます。
2連装の対空砲塔が段々に並ぶシルエットがこのダイドー級の格好良さ!独特の迷彩も相まってイギリスらしい味があり、好きな船の一つです。軽巡といっても大型の駆逐艦といったシルエット。斜めに傾いた煙突とマストが素直にカッコ良いですね。
ダイドー級でも変則型のマイナーな艦。しかし、個人的には本家のシルエットより、こっちが好きです。
4色迷彩!それもこの白、グレー2色に青ときたカラーリングとはとても活かしています!(マスキングは苦労しますが・・・)
左右で迷彩パターンが違うのも表情が豊かで楽しいところですね。
いろいろディティールアップしているとはいえ、レジンキットとして素晴らしいモールドのキットです。
船体の迷彩色は、塗膜の薄いラッカー系で。鮮やかな発色を目指して、白をベースに薄い色から重ねていくとこんな感じになります。
白をベースにすると甲板の木目の色も筆塗りで鮮やかに発色します。最後は薄くエナメルの黒で墨入れしてます。
11.2センチ砲塔の形状が不満があったので、セミスックラッチ。80点っといったところか・・・。
このクラスの改良・進化型にベローナ級があります。そのクラスが小説の「女王陛下のユリシーズ号」のモデルとなった艦です。
船団護衛の旗艦としての壮絶なドラマはコウ中村さんもオススメの内容です。是非ご一読を(笑)。
ウォースパイトで施した反り対策ではなく、オーソドックスなボルト止めにしています(汗・・。
これについてはまたの別の機会に・・・。