シールズモデルのキット、橋立です。艦船模型の明治ものといえばこのメーカーなんです。細かくきっちりしたモールドでとても高品質なメーカーです。この橋立は、先に完成させた松島の姉妹艦にあたる艦船。性能や誕生の経緯は全く同じなので省略します。付け加えるなら松島と大きく違う点として、砲(カネー砲)が前方に配置されている事と、厳島と松島はフランスで建造されたのに対しこの橋立は日本で建造された事でしょうか・・・。さて、この3景艦を設計したのはフランスの設計士 エミール・ベルダン氏によるもの。当時、日本はまだまだ自国で艦船を作れる体制でなく、ほとんどを海外から買い付けていた時代でした。当時、フランスは英国と並んでトップクラスの造船国であり、仮想敵(清国の定遠・鎮遠)をもった特異の情勢にあわせてオーダーメイドに応えた形の設計でした。造船の先進国は、その設計に於いて日本のような他国からの発注に、奇抜なアイデアや冒険を試み、成功したモノを自国に取り入れるといった嫌らしい事をやってましたので、この3景艦は典型的な冒険の失敗例でした。奇抜ではあるが実用性がないこの設計に不安になった日本は、4番艦の秋津洲を急遽、英国式に設計変更し、これに憤慨したベルダンがフランスに帰ったエピソードがあります。 この時代の日本海軍には、フランスだのイギリス、ドイツ、イタリアと多国籍なカラーがあって面白いです。
先に完成させた松島を反対にした感じです。巨砲側が船首、実戦では後部に並ぶ副砲が活躍しました。
フランス艦特有のタンブルファームのラインが特徴です。実用性より芸術性が強い設計とのこと。
キットは、厳島か橋立の選択ではなく、二つともを作れるようになっています。(ほぼ同じですが・・・)
日清では主力艦の一つ、日露においても海戦に参加しています。