2等巡洋艦 松島 1/700(シールズモデル)


シールズモデルのレジンキット、松島です。艦船模型の明治ものといえば、このメーカーなんです。インジェクションキットを中心に高品質なキットをリリースしており、マイナーな派生型等も、レジンで補いながらパーツを流用した構成で展開しています。 この松島は、日清戦争手前にフランスにオーダーメイドした艦船。当時、清国の巨艦、定遠、鎮遠に対抗すべく、特注された艦船。貧乏な日本が購入できる小型艦に一隻一門の巨砲(32センチカネー砲)を搭載。前後2隻の運用で、一隻分の役割を構想とした設計です。先に完成した厳島と後の橋立とあわせて3景艦というように観光名所が命名されています。 厳島、橋立は 前部に砲を配しており、後部に配する予定だった秋津洲(あきつしま)の設計変更により、後部に砲を配した艦船はこの松島のみとのこと。とてもいかしたシルエットだと思います。日清戦争では旗艦として本隊を率いた代表格を勤め、日本海軍の勝利を導いた活躍ぶり。しかし、肝心の巨砲は役立たずだったらしく、狙いはつきにくいや、撃てば進路が変わるやで、完全な欠陥品だったそうで、実戦で活躍したのは副砲のアームストロング速射砲だったらしいです。フランス艦独特の曲線(タンブルフォーム)を持ったこのシルエットは個人的にはたまらなく好きな艦船! 窮地な日本の立場からの過武装といい、それに答えるフランスの奇抜さといい、とてもドラマを持った艦船です。


壺の形のような膨らみのある船体がタンブルフォームといわれる形状、フランスの艦船にみられる特徴です。

排水量4000トンクラスといえば、当時の世界レベルでは3流、しかし、貧乏な日本では第一線の主力艦なんです(泣)

後部に配したこの巨砲が32センチカネー砲! 全くの役立たずではありますが、後の武装方針が速射砲や沈没を

狙った重砲より建造物破壊の炸裂砲弾といった形になる大きな教訓となった意味では、存在価値はあったかも。

松島の他に、厳島、橋立 を含めて3景艦と呼ばれていまいた。次回は、この橋立を完成させようかと思っております。

ディティールアップとしては、策をすべてエッチングから、各砲身はすべて真鍮パイプの組み合わせ、

タッカーの支持フレーム、マスト等も全て真鍮線に変えています。

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