●Sdkfz233  ドイツ8輪装甲車 塗装編 


塗装は、スケールモデルのお化粧ですからそのモデルのかなり大きなウェイトを占める要素です。少々、基本工作において失敗があっても、この塗装が上手ければカバーできるもの。また、塗装によって作者の作風が分かるし、個性が発揮されると思います。 色々な方法があると思うのですが、私はこんな風に仕上げるといった例ですので、参考程度にご覧下さい。

さて、今回の塗装はドイツ8輪装甲車の233を使って、砂漠色の車両を塗る行程です。私の塗装の好みは、全体的にあっさりとした感じで汚しのポリシーは「綺麗に汚す」です! 最近の流れとしては「リアルに汚す」が主流ですが、ボロボロ、ドロドロ、サビサビはどうも頂けません。多少はフィクションでもかまわないので、イメージ的な塗装を優先しちゃいます。ちなみにこの233も目指したイメージは、DAK初期の車両にみられたジャーマングレーの下地に砂漠色を施したパターンのモノ(この塗装が大好き)。考証からすれば、233にこの塗装はおかしいのですが、その辺が多少のフィクションといった感じです。

基本工作後の姿。このキットはかなり良くできているので、手を加えた部分はほとんど無い状態。見てのとり、砲身とまとわりついたシェラフがメタル部品であることぐらいだ。

余談ではあるが、このシェラフは後部のバイザーの欠品を覆い隠そうと苦心したアイデア!結構、この鉛板はシェラフとして役に立つし、このシェラフはモデラーの救世主でもある。 ヤバイと思ったら、かぶせるのです!(だから、決してめくったりしないように! 笑)

次にサーフェイサーを吹く(サフ吹き)のですが、私はもっぱらタミヤのスーパーサーフェイサーを使用します。直接スプレーするのでは塗膜が厚くなりすぎるので、一旦、小瓶に吹き溜めて、少しラッカーシンナーで薄めます(ほんの少し薄める程度でOK!)。

タミヤのこのタイプは、プランマー効果があるため、金属のエッチング等複合素材には最適なもの! 

サフ後の画像です。裏面から吹いて、次に左右前後の側面から吹く、そして最後に上面から吹きます。エアーブラシのレギュレターを下げて、薄く吹いていく感じ。サフ吹きはそんなにしつこく吹かないようにするのがコツ!

タミヤのこのタイプは、表面がザラザラした感じで、AFV(つや消し塗装)には向いていると思います。(他の製品でこれは!っていうのがあれば教えて下さい)

下地となるジャーマングレーの塗装です。この下地がグレーに、上から砂漠色や現地の砂をオイルで溶いて塗りたくった塗装方法は、DAK初期の車両にみられた、実在する方法!その行程をそのままやっていると言うわけです・・・。

この時は、できるだけ奥の方に届くように、影となる部分を吹く感じでオッケーです。(せっかくサフ吹きしたのでもったいない気がしますが、吹かないとなんか、のりが悪い感じがします 下地が濃い色でもサフ吹きは欠かせません!)

オープントップの車両は、内部が丸見え! 内部の色をジャーマンで残そうと思ったので、内部もしっかりと吹いています。

いよいよ、砂漠色を施していくのですが、私の場合は、ラッカー系の塗料を基本色に使います。塗膜が薄く、乾きが速いので、せっかちな私には向いています。 (シンナーが強烈に臭いのが欠点ですが・・・・)

私の砂漠色は、ホワイトとダークイエローをだいたい2:1位でかなり明るめに作ります。気持ち、サンディブラウンを混ぜたりします。 これは、後の作業を踏まえてもありますが、ジャーマングレーが下地なので、かなり発色が落ちてしまうので、明るすぎる位でも全然OKなのです。 

エアーブラシの気圧を半分に落として、やわらかく吹いていきます。わざと下地が見えるように、エッジの部分を吹き残します。オープントップの車両なので、マスキングして車内に入らないようにします。

ここでのコツは、あまり吹き過ぎ無いようにする事! (サンド色の車両にする意識から、ついつい吹き過ぎちゃいます。少しオーバーな位に吹き残すのが、後々、丁度良くなります)

そして、基本色にサンディブラウンとダークアースを少し混ぜて、濃い色を作り、面の中央部分に吹いていきます。グラデーションになるように吹いていきます。 画像で分かりますかね?うっすら中央部分が濃い色になっているのが・・・・写真じゃかなり微妙なんですが、実物は、もう少しわかりやすく見えます!

単色の塗装は、単調になってしまうので、面ごとにグラデーションをつけていくと格好良くなります!実車ではそんなことないでしょうが、塗装はイメージ優先! 「綺麗に汚す」で押し通します! 私は印象派なのだ!・・・・・ (同志募集!)

次にOVMの塗り分け。基本的にはハンブロールのエナメル塗装で塗り分けていきます。下地のラッカーにエナメルは浸食しないので、例え、はみ出たりしても、溶剤で洗い流すことができます。(しかし、安心して擦りすぎると剥げますのでご注意!)
次にデカールの貼付! この行程ではミニスケールファクトリーのkimkim氏の方法を参考にしています。まず、デカールを貼る位置に、木工用のボンドを水で薄めたモノを塗り、その上にデカールを貼り付けるといった感じです。 デカールのテカリが抑えられるのと同時に、車体へのくいつきも良くなるので、後に行程で剥がれることが少なくなります。

画像のような角度のある部分では、しっかりデカールを柔軟剤(マクソフスタ?)になじませてから使用すると上手く生きます。

次に、フィルターを施します。同じエナメル系の塗料でも良いですが、私は油絵の具を使用します。 この砂漠色のフィルターでは、オレンジを使用! ハンブロールの溶剤に絵の具5〜10%を溶いたもので全体的にサーって塗ります。

(下地ジャーマングレーで無ければ、通常この段階で、墨入れをします。ハンブロールのつや消し黒を溶剤で薄く溶いたもので、筋ごとに流し込む感じで)

フィルターの効果感じます? この画像では微妙過ぎですね。(すみません・・・) 。ちなみに、デカールも一緒にフィルターしますので、車体色に馴染んできます。

最後に、パステルで仕上げです。パステルで土っぽい色を2種類位混ぜて使用。茶こしで削ったパステルの粉を、筆に絡めて、直接こすりつけます。車体下部が微妙に埃をかぶった感じにしてみました。どうですか?わかります? (微妙〜〜〜)

パステルを溶剤(アクリル系)で溶いてもOKですが、かなり汚い表現になりやすいので、やりすぎには注意です。

(通常なら、この段階でドライブラシをします。私はあまりドライブラシ重ねない方なので、一段階のドライブラシで終わっている事が多いです。 要領としては、ドライブラシ用の筆にバフかホワイトを拾って、拭き取ります。紙に筆を擦り付けて、ほとんど紙に色が残らない程度になってから、車体のエッジに擦る感じです。あれ!塗料とりすぎたかな? 位でしつこく擦るのがコツ!特にミニスケは!)

はい、完成! あっさりしてるでしょ。

リアル思考の方は、ここからチップの書き込みや、剥げチョロといった演出を施していきます。あとは、上記の行程で、好みによって何処を強調するかで変わってきますね。

オススメなのは、フィルターの行程での工夫です。下地の色とフィルターの色で様々な発色が可能です。2〜3回までならフィルターは重ねられるので、無限の組み合わせができます。あえて、白やピンク、紫といった色を使うのも効果あります。

こんな感じで、微妙な色の変化が好きですね。ミレーの絵画のように・・・・・・・・全然ちがうって(泣)

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