−みんなちさこの思うがままさ(R)− 堂々(やっと)完成!

池田知沙子が逝ってから一年が経ちます。当初は年内に遺稿集を完成させ、出版記念会
と偲ぶ会を開きたかったのですが、ついに年を越してしまいました。ならば命日までにな
んとしても発行しようと作業が進められ、ようやく二月十日に完成いたしました。
遺稿集の話は彼女を失ったときからありました。財政乏しい私たちの出来る範囲でまと
めようという、ごく自然の成り行きでしたが、そんなおり、夫君の俊樹氏から、香典返し
として自然保護団体へ寄付をしたい、という相談を受けました。しかし、山と自然を愛し
た彼女も、自然保護という言葉には違和感を覚えていたはずですし、特定の思い入れた団
体もなかったようでした。ならばその予算を遺稿集に組み入れて参列された方々に差し上
げ、彼女の遺した文章を読んで戴くほうが、お礼として相応しいのではないかと申し上げ
て、全面的に賛同して戴きました。その結果、岳人編集部の山本修二氏と恵比寿ロコ・モ
ーリス組というスタッフの応援を受けて、森に吹く風のような文章に相応しい、贅沢な装
幀の本が出来ました。
ですからこの本は本来、池田知沙子の献花葬に参列して戴いた方へのお返しとして編ま
れたものです。印刷部数もそれほど多くはありません。売り切れごめんです。その上で「あ
あ、こんなにみんなから読んでもらえるなら、もっとたくさん印刷すればよかったね」と
悔しがってみたいのが、私たちの描く青図です。
池田知沙子の、山への思いを育んだ歳月を共有した仲間たちと、雪の降りしきる冬の日
に彼女を見送ってくださった方々に、本書に綴られた彼女の熱い息吹を届けます。
また友好団体各位には、いつもの月報や年報のように―御笑覧ください―と申し上げる
つもりはありません。貴会のなかで回覧され、より多くの注文を取りまとめていただけた
ら……という下心があります。それほど良い出来の本に仕上がった、と自負しております。
それもこれも、池田知沙子の文章のなせる技です。「風に吹かれて森に彷徨う」知沙子ワー
ルドを、より多くの人に堪能して欲しい、というのが私たちの切なる希いです。

なお昨年秋の総会において、当会代表は高桑信一から飯島雄二に交替しておりますが、
本書においては代表・高桑信一のままにさせて戴きましたことをお断りいたします。
 
     2000(平成十二)年厳冬                   浦和浪漫山岳会代表・飯島雄二
                                          池田知沙子遺稿集編纂委員長・高桑信一


−みんな知沙子の思うがままさ−/四六版360ページ。並製カバー付/イラスト・池田 知沙子×5点/写真・カラー36点、白黒6点。 第1章・奥利根/第2章・南会津/第3章・下田、川内/第4章・山登り入門から黒部ま で/第5章・浪漫の仲間たちへ/第6章・風に吹かれて/第7章・ちさこの小宇宙/絶筆・ ゆっくりでいいから美しく/あとがき/全山行一覧 ● 定価(3000円+税)茗溪堂・カモシカスポーツ・ICI石井スポーツ・秀山荘に販売 委託しております。 ● 友好団体各位は2500円(税なし)+送料でお分けいたします。 お申し込みは、現金書留か郵便局の定額小為替証書にて、以下へ。 高桑信一 〒345-0036 埼玉県北葛飾郡杉戸町杉戸578−2 tel0480-35-0033/fax0480-35-1777(会社tel048-813-2116/fax048-813-2119) メールアドレスs-takakuwa@sai.ntt-me.co.jpまで。 (お手数ですが、全角の「@」を「@」に修正してください)

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