1.年月日  1995年1月27日(金)夜〜28日(土)
2.山域山名 八ヶ岳・阿弥陀岳・南稜
3.メンバー CL若原(記)、SL中島、SL堂山、大村、竹内
4.天気   晴れ
5.コースタイム
    1/27 横浜線・橋本22:30〜2:00立場川横断点 (泊)
    1/28 立場川横断点7:00〜7:30旭小屋7:40〜9:40立場山〜11:40無名峰〜
       12:30P3〜14:00阿弥陀岳14:15〜18:15立場川横断点18:25〜
       18:40もみの湯20:00〜23:35登戸
6.経費
    高速代、ガソリン代 1,600円/人
    もみの湯・入浴料  300円 (18:00以前は600円)
7.報告
   横浜線の橋本駅で待ち合わせ、大村さんのパジェロに同乗して入山する。
  相模湖ICで中央高速に乗り、諏訪南ICで降りる。 原村は新しく道が整備されて
  おり戸惑うが、八ヶ岳美術館の先の分岐から別荘地帯へ入り舗装道路が切れて
  少し入った先に道標「広河原、南稜方面」を見つけ右に分岐する。 この辺り
  からは、車高の高い4WDでないと無理である。 暫く進むと分岐があり、
  右に「キャンプ場」という分岐の道標を見送り、なおも進むと立場川に行き
  当たり、道路は川添いに下っている。 川を越えて行くことも出来るようだが
  よくわからないので、ここでテントを張って寝ることにする。 ここまでは
  タイヤの跡があった。 2:30頃、就寝する。

   5:30に起床し、朝食を摂り出発する。 現在地に確信が持てないので付近を
  偵察したところ、道は立場川を越えてつながっているが、少し先で鎖により
  車止めされている。 「至・旭小屋」道標があり、旭小屋へ至る林道である
  ことが確認できた。 気温は-10℃前後である。 今回は夜行日帰りの予定で、
  ビバークの準備はしているが軽装である。

   旭小屋への林道は1週間位前のトレースがあったがその後の降雪により消え
  かかっている。 10数年前に2〜3回来ているのだがこの辺りまでの記憶は
  あまりない。 旭小屋を見て多少記憶が蘇った。 小屋は充分雨露を凌げ、
  広い板張りの床がある。 小屋の裏手にある尾根の背を目指して登るが
  「入山禁止・罰金10万円以上」の看板を見て慌てる。 少し登ると登山道の
  右にケーブルで囲いが出てくる。 どうやら、小屋の裏山でキノコが採れる為
  入山禁止にしているようである。

   尾根の背に出た辺りからは雪が解けて凍っており歩きにくい道が続く。
  積雪量が少しずつ増えてラッセルの様相になる。 先頭を交替しながら
  ラッセルをするが深いところでは膝上位になる。 踏み外すと腰まで
  もぐってしまい苦しいラッセルが続く。 ラッセルがあった割にはまずまずの
  ペースで立場山を通過する。 雪庇は立場川側に発達している。 無名峰で
  アイゼンを装着する。

   P3は広河原3ルンゼの上部を登る。 取り付きの3m位下の潅木に確保の支点を
  取り大村さんがトップで行く。 45mザイルが全部出ても適当な支点に届かない
  らしくザイルを連結して伸ばす。 ここは声が通らないので登る前に調整して
  おく必要がある。 取付きの少し上に長さ3m位の固定ロープが残置されている。
  1ピッチ目の終了点から先も悪いので、2ピッチ目は竹内さんがトップで行く。
   これでザイルが必要な個所は終了した。 頂上直下も雪が深い。 右に巻いて
  登ると頂上である。 阿弥陀岳、中岳、赤岳にトレースはあるものの、人影は
  見えない。 雲もなく360度の展望が楽しめた。 風もあまりなく八ヶ岳にしては
  -10℃は暖かいと言える。 時間もあまりないので簡単な食事の後、食糧の一部を
  ポケットに入れ、途中の待ち時間を利用して食事することにする。 メンバーの
  体調を確認した所、問題ないので南稜を下降することにした。

   P3の2ピッチ目は少し下った所にある潅木を支点に45mザイル1本で
  懸垂下降して、P3の1ピッチ目の終点(潅木)へ降りる。 この潅木を支点に
  2本のザイルで懸垂下降するがルンゼの途中で末端になってしまった。 予想は
  していたものの7〜8mのクライムダウンが発生したが問題なく下降できた。
  登りと違ってザイル操作がスムーズに行ったために山頂から1時間余りでP3を
  通過した。 無名峰の上に1張りのテントがあった。 難所を通過して気が
  緩んだことと夜行による疲れが出てきて、無名峰、立場山の手前で各1本立てる。

   低温のために山頂からずっとパウダースノー状態である。 旭小屋裏の尾根
  の背でアイゼンを外した。 ここでヘッドランプを取り出す。 旭小屋の前にも
  テントが1張りあった。 18:15に立場川横断点の車を置いてある地点まで帰り
  着く。 大村さんの発案で「もみの湯」で風呂に入った後で荷物の整理を
  することにし、荷物を積込み出発する。 もみの湯は18時を過ぎて安くなった
  ためか、混んでいた。 さっぱりした後、八ヶ岳を後にして帰途についた。
 
                                    以 上

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