From: 茶木勇自
Date: Thu, 08 May 1997 15:42:56 +0900
Subject: [climbing 5109] <board>tateyama
ちゃきです。
久しぶりに投稿します。
立山でスノーボードしてきましたので報告します。
結構長いけど、興味ある人は読んでね。
雷鳥平キャンプ場の目の前のバーンにTバーのリフト(3〜40m)が架かってい
ましたが、今回は、一切リフトは使いませんでした。だってそのバーンはつまんな
そうだもん。
山には一人で入山しました。オールテント泊。装備は、70Lザックに全て収まる
ようにパッキングしていきました(約20kg)が、テントを背負っての滑走はか
なりバランスをとるのが難しく結局滞在型でボードを楽しみました。
キャンプ道具以外で登山用に持っていったものといえば、アイゼンくらいです。
ただ、靴は、登山用のプラスティックブーツを使用しました。兼ねてから検討して
いたんですが、出発前に実際履いてみてソフトブーツ用のビンディングでも十分対
応できるという感触を持って山に行きました。実際気になるほど靴がビンディング
の中でずれるようなことはありませんでした。
アイゼンを履くには、やはり登山靴に限ると思います。それにアイゼンなしで雪面
を登るときにキックステップ(雪面に靴を蹴り混んで登る方法)がやりやすい。ソ
フトブーツだとこうはいかないからね。
立山 山岳ボード(97.4.26〜30)
4/25(金)急行アルプス
立川(1:19)−信濃大町(5:05)
4/26(土)アルペンルート
信濃大町(6:15)−扇沢−黒部ダム−黒部平−室堂(10:00)
雷鳥平キャンプ場(11:00)テント設営(12:00)
1本目ハイク(1.0h)雷鳥平〜奥大日岳からの尾根の途中
室堂乗越への尾根沿い滑走 (標高2650m〜2250m)
2本目ハイク(1.5h)雷鳥平〜剣御前小屋
剣御前小屋から雷鳥坂滑走 (標高2750m〜2250m)
4/27(日)1本目ハイク(1.75h)雷鳥平〜剣御前への尾根途中
剣御前への尾根途中〜剣沢キャンプ場下滑走 (標高2792m〜2450m)
2本目ハイク(1.25h)剣沢キャンプ場下〜別山への尾根途中直下
剣御前への尾根途中〜剣沢キャンプ場滑走 (標高2750m〜2455m)
3本目ハイク(3.0h)剣沢キャンプ場〜別山〜真砂岳
真砂岳〜雷鳥平滑走 (標高2860m〜2455m)
4/28(月)1本目ハイク(1.5h)雷鳥平〜剣御前への尾根途中
剣御前への尾根途中〜剣沢キャンプ場上滑走 (標高2792m〜2500m)
2本目ハイク(0.5h)剣沢キャンプ場上〜剣御前小屋下
剣御前小屋下〜剣沢キャンプ場滑走 (標高2650m〜2455m)
3本目ハイク(1.0h)剣沢キャンプ場〜剣御前小屋
剣御前小屋から雷鳥坂を真砂岳尾根取り付きまで滑走
(標高2750m〜2350m)
4本目ハイク(0.5h)真砂岳尾根途中まで
真砂岳尾根途中〜雷鳥平 (標高2550m〜2250m)
4/29(火)1本目ハイク(3.0h)雷鳥平〜雄山頂上
雄山頂上〜雷鳥平滑走 (標高3000m〜2250m)
2本目ハイク(1.0h)雷鳥平〜雷鳥坂途中
雷鳥坂途中〜真砂岳尾根取り付きまで滑走 (標高2600m〜2350m)
3本目ハイク(1.0h)真砂岳尾根途中まで
真砂岳尾根途中〜雷鳥平 (標高2600m〜2250m)
4/30(水)下山
雷鳥平〜一の越(1.75h)
一の越〜東一の越経由〜黒部平滑走(途中ハイク)(1.5h)
黒部ダムまでの下山路を間違えたため黒部平まで登り返し
黒部平(14:30)−黒部ダム−扇沢−信濃大町(17:00)
<総評>
雪は充分あり、滑る分には申し分ない量である。今年は、飛び石連休のせいかテ
ントの張り数は少ないそうである。その分人が少ないと言うことだ。斜面は、どこ
をみてもノートラックである。非常にうれしくワクワクしてくる。
滑走時間は、登りに較べればほんの一瞬である。だから、楽しそうなルートの選
定が重要になってくる。せっかく登って、下りがつまんないと非常に腹が立つから
である。ゲレンデのようにバーンが一望できるとは限らず、丘のような斜面を下る
ことが多々あった。つまり、丘の向こうは斜面の変化がわからないため、地図や実
際に登るときに地形の変化を確認する必要がある。安全に滑るためには、クリフや
雪庇を避けなければならないからである。
今回の山岳ボードは、来年への布石として行った山行であったが、荷物を背負っ
ての滑走がこれほど難しいとは思わなかった。確かに、荷物が増えた分、ボードに
かかる荷重が増えるので、もっと長い板を選択しなければならなかった。といって
も1枚しか持っていないのだが。さらに、ターンによる前後の重心の移動は、荷物
が重いほど、斜度が急になるほど難しくなる。特にバックサイドターンは、後ろに
転んでしまう。
雪質は、春山特有のシャーベット状で重く、それでも浮遊感が味わえるほど沈む
ので、セッティングをもっとセットバックしても良かったと考える。体重を後ろ足
にかけて後傾気味で滑れば問題ないのだが、これはかなり疲れた。
急斜面でのアイスバーンを滑る技術をもっと向上すればさらに楽しむことができ
た。さらに、雪面の変化に柔軟に対応できる滑りができれば、転ばなくなるであろ
う。
まだまだ雪質を選ぶ滑りである。もっとトレーニングが必要と感じた。また、荷
物を背負っての行動は、1泊ぐらいの軽装備なら可能、人数が増えれば荷物を分担
できるのでさらに長期に入山することも可能という感触を得た。長めの板が欲しい
ところである。
今回は、春スキーということで雪面も安定し雪崩の心配をしなかったが(雨が降
った次の日に天気になった4/29は、ちょっと心配したが大丈夫だった)、降雪
期の雪面での判断等は、さらなる技術が必要である。さらに経験を積んで、来シー
ズンは、パウダーをたくさん食らう予定である。
ベストラン
1.4/27 真砂岳〜雷鳥平滑走 (標高2860m〜2455m)
2.4/26 剣御前小屋から雷鳥坂滑走 (標高2750m〜2250m)
3.4/27 剣御前への尾根途中〜剣沢キャンプ場下滑走(標高2792m〜2450m)
4.4/29 雄山頂上(山崎カール)〜雷鳥平滑走 (標高3000m〜2250m)
4/26,27の午後の雪質が自分にはちょうど良かった。
4/28は、雨で朝はバーンが堅く、雨が眼鏡を曇らせ不快だった。
4/29の午後は、雪が腐りすぎ。
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: 茶木勇自
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[Copyright (c) 1997 by Yuji Chaki]