延岡



左:米軍の航空写真(USB15-R15-62、国会図書館)



左:米軍の航空写真(USB15-R15-73、国会図書館)



左:今山神社の海軍高角砲陣地、右:正六角形の陣地


昭和20年8月の配置図を見ると、旭化成ベンベルグ工場の東、出北付近に高射砲中隊が、また同じく旭化成ベンベルグ工場の南東付近に機関砲隊のマークが、それぞれ描かれている。6月の航空写真を見ると、砲座らしいものが写っているのが辛うじて判別できる。砲座の数と並びから高射砲かと思われるが、ハッキリとは判らない。
「写真が語る日本空襲」(工藤洋三・奥住喜重、現代資料出版)のP.141に延岡市の航空写真が出ているが、これを見ると上記の場所には何も写っていない。

代わりに五ヶ瀬川の北岸、延岡駅からだと南東に500m程の所に正六角形に並んだ砲座が写っている。(さすがにそのままスキャンするわけにもいかないので)手持ちの写真を見直すと、確かに砲座が写っていた。不明瞭だがこちらを載せておく。
ただこの砲座は、海軍側の7cm野戦高射砲6門(引渡地点:安賀多小学校)ではないかと、あやふやながら推測する。理由はまだサンプルが少ないので何とも言えないが、そもそも正六角形の砲座は日本では珍しく、陸軍でその殆どを占めている7cmと8cmの高射砲陣地ではまだ確認できていない一方で、海軍は木更津にある7cm野戦高射砲の陣地に正六角形のものがあったことが挙げられる。9割方「勘」のいい加減な推測。

また同じ航空写真には今山神社にあった海軍の高角砲台(12cm高角砲4門)も比較的良く写っている。

海軍は他に4ヶ所の機銃砲台(出北、別府、山下、山月)があったようである。



日付 高射戦記、砲兵沿革史、復員省資料等による記事
昭和20年6月 高射砲第136連隊 高射砲第9中隊 8cm高射砲6門(新設備砲中)
昭和20年8月 高射砲第136連隊 高射砲第9中隊 8cm高射砲
特設第2機関砲隊 13mm9門