原爆投下前の航空写真(国土地理院、5M335-47S(5M335-9473))
江波山公園の東側に高射砲陣地が、西側に照空陣地があった。航空写真を見ると、江波山の東側の尾根筋に高射砲陣地にはが6門並べて配置されている。指揮所の位置が不明だが、航空写真の「?」マークで示した部分かもしれない。照空陣地は西側の「母子愛の碑」に照空灯が、その南西の広場に恐らく聴音機が置かれていたのではないかと思われる。また江波山は、広島では唯一の99式8p高射砲が配備されていた高射砲陣地である。いつ頃に陣地が築かれたかは不明である。資料
[17]によると昭和19年6月には存在していたようであるが、備砲が最初は7pだったのか最初から8pだったのかはわからない。
爆心地からかなり離れているが、原爆投下直後の航空写真を見ると、北斜面に建っていた兵舎の半数が倒壊している。
戦後、公園として整備され、高射砲陣地だった痕跡は残っていない。江波山の東端には戦前から茶屋があり、高射砲陣地築城の為に立ち退かされたが、戦後すぐに洋食店として再建されたそうで、1947年の航空写真には現在の店の建物がすでに写っている。現在はフランス料理屋として営業しているが、かなり繁盛していた。