可部 防空監視哨




可部 防空監視哨


右:米軍の航空写真(M850_A_1-68、69、M822-60、61)





左:筒状コンクリート構造物Aを南から、右:同左を南から



左:Aの内部北面、右:Aの底



左:Aの東側壁、右:Aの外側



左:Aを北側から、右:Aの内部南面



左:Aの東側壁、右:Aの西側、低い土塁が周りを巻いている



左:Aを北側から(B付近から)、右:Aを北側から(Bの西側付近から)



左:切欠平坦地B(北から)、右:同左



左:切欠平坦地B(南から)、右:Bの北端付近にある穴



左:Bに転がっていたコンクリート製円筒の破片、右:北側の平坦地



左:横穴C、右:コンクリート製水槽跡D



左:コンクリート製水槽跡Dのアップ、右:Dを東から、付近に瓦礫が散乱



左:コンクリート片E、右:同左のアップ



左:コンクリート片F、右:同左のアップ



左:北端から北側の平坦地、右:北端の切岸




可部町にある安佐北区民センターの北側にある山の尾根上に、コンクリート製の円筒構造物と掘削平坦地、水槽等の残骸が残っている。

コンクリート製円形構造物Aは内径3m、深さ2mで出入口のようなものは無く、梯子か何かをかけて出入したのではないかと思われる。また内壁には排水口らしき直径5cm程の穴が幾つか開いているが何をするものなのかは不明である。Aのすぐ外側に円形に低い土塁が巻いている。Aの周辺には狭い平坦地らしいものが幾つかあるが、はっきりとした施設跡とは言えないものばかりである。

Aの北には切欠平坦地Bがある。南北6m、東西4.5mの広さがあり、北端には直径70cmくらいの穴が開いている。中央部付近には、用途不明のコンクリート製円筒の残骸が転がっていた。

Bの西側の斜面には、防空壕とは言えない程の小さな横穴Cが開けられているが用途は不明である。またBの北側にはコンクリート製水槽の残骸Dが残っているが天水桶だろうか。またDの周辺にはコンクリートやレンガの残骸が散らばっている。
少し北側の西端にはコンクリート残骸Eが、また更に北側の東端には同じくコンクリート残骸Fが転がっている。Fの近くには方形窪地の跡らしいものがある。北端は簡単な切岸のようになっており、これから先には平坦地らしきものはあっても遺構と呼べるようなものは存在しなかった。

航空写真を見ると、遺構のある場所の真南の尾根上にも何かが写っている。Aの南側に連絡路らしき溝が南下へと続いていたので、この辺りに関連施設があるのかもしれない。




広島県警察100年史によると、昭和16年末に構築された県下28ヶ所の防空監視哨の一つで、昭和19年の再編成の際に廃止されている。可部町史には記載は無い。





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