王島山 防空高角砲台?



右:米軍の航空写真(M816-66、M813-107)



国会図書館蔵の米軍の空中写真(USB-15 R-13-123より)



国会図書館蔵の米軍の空中写真(USB-15 R-13 左:123、右:128より)


三菱化学水島事業所の北側にある王島山にも高射砲が据えられていたという話があり、また引渡目録にも野戦高射砲が6門ある。戦後の航空写真では山頂付近に砲座らしい円形が幾つか見えるが、これが砲座かどうかは判らない。爆撃時の航空写真には、山の北側に約3基、南側には約2基の砲座らしき影が写っているが、前後の写真で影になったり白く飛んだりで、断定はとても出来ない状態であるし、また地形的に見てもかなり無理がある。ただ山頂には何らかの施設はあったようである(写真2枚目上)。またこの王島山の北側には倉敷航空隊の施設が写っている。ただし隊の敷地内には砲座らしきものは写っていなかった。

山頂付近には兵舎か何かの建物の基礎らしきものが残っているだけらしい。


「倉敷の戦跡マップ」によると、王島山の北側の東塚にも防空砲台が作られ、5基の砲座があったと書かれているものの、1945年1月と7月の米軍の航空写真ではそれらしいものは認められなかった。砲座の数からして、昭和20年1月に応急配備された10門の88式高射砲の内の5門(他の5門は連島)である可能性もあるが、仮に7月までに別の場所に移動してもう一度田んぼや畑に戻ったにしても、痕跡すら見当たらないのは不思議である。




日付 引渡目録による記事
昭和20年8月 引渡:
倉敷航空隊隊内:
 88式7cm野戦高射砲1
 150cm照空車(一部不足)1
 96式150cm探照灯、管制器、1
 ヱ式空中聴音機1
 90式航速測定器1
 97式2m測距儀1
 8cm双眼鏡1

王島山:
 88式7cm野戦高射砲6
 97式2m測距儀1



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