東山 防空高角砲台



米軍の航空写真(R515-2-118、国土地理院)


左:米軍の航空写真(USB15-R15-48、国会図書館)





2012.5.12 探索
2014.12.29 追加調査



砲座付近




左:地下指揮所入り口A、右:同左


左:地下指揮所の内部、右:Aの北側の崩落?した溝


左:地下指揮所の入り口を上から、右:砲座Bの南東下


左:砲座Bを東から、右:砲座B内部


左:砲座Bを南から、右:砲座Bを西から


左:砲座Bへの連絡路、右:南東下の平坦地C

周南緑地公園の北端から泉原病院付近が砲座であり、東側の1基のみ残っている。2年ぶりに行ってみたら、綺麗に整備されていた上に、前回は知らなかった地下指揮所まであった(散歩中の近所の方に案内していただいた)

地下指揮所Aは、砲座の方向に向かって伸びているが、カメラのフラッシュが届かなかったのでどれだけ深いかは不明。恐らくは部屋があると思われる。地下指揮所の入り口から北に向かって大きな溝がある。西面にコンクリートの薄い板上のものが崩れており、元々はトンネルだったものが崩落したものかと思われる。

砲座Bも草が刈られて見やすくなっている。コンクリート等は見当たらない。
砲座の南東下には、方形の平坦地Cがある。用途は不明だが、何らかの建物が建っていたのではないかと思われる。






探照灯




左:管制機?窪地D、右:同左内部の西側の土塁とコンクリート基礎


左:Dのコンクリート基礎、アンカーボルトは不規則な配置、右:探照灯の方向を望む


左:平坦地E、右:探照灯陣地を東から、右の木が徳山桜G


左:探照灯円形窪地Fを東から、右:Fの内部


左:Fを西から、右:探照灯のコンクリート基礎


左:コンクリート基礎を土塁上から、右:探照灯の西にある窪地


砲座から見ると南東方向の尾根上に探照灯陣地がある。直ぐ近くに突然変異の徳山桜が立っている。
東側に、管制機陣地と思われるDがある。東西に長細く、西側の半円形土塁の中心付近にコンクリート基礎がある。1m四方のほぼ正方形で、4本のアンカーボルトが残っているが、少なくとも他でよく見られるような正六角形の配置にはなっていない。4本の間隔は、43cm、43cm、46cm、93cmで、1->3->4本目は直角になっている。引渡目録を見ると92式110cm探照灯となっているが、これは初めてであり、92式110cmの管制機はこんなアンカーボルト配置なのかもしれないが、戦後の設備跡の可能性もある。

徳山桜の南東側、遊歩道の南に方形に切られた平坦地Eがある。徳山桜の案内板に「兵舎」云々という記述があり、これのことかと思われる。ただ兵舎というよりも指揮所の可能性が高い。

桜の西に探照灯円形窪地Fがある。円形土塁の東西に出入口があり、土塁の内径は約3.5mである。中心に見慣れたコンクリート基礎があるが、基礎の直径は約130cmで6本のアンカーボルトが直径107cmの円周上に正六角形に植えられている。
探照灯の少し西の遊歩道脇に用途不明の窪地がある。また探照灯の南斜面下に不明瞭ながら切り欠いた跡があるが、直流発電機関連のものかもしれないが、よくわからない。





機銃陣地?




左:遊歩道から三角点を、右:三角点脇の長円形窪地H


左:長細い窪地、右:Hの南となりにある円形窪地


左:少し西にある海軍標柱、右:駐車場の近くにある崩落した地下壕跡

探照灯のある尾根の、一つ南の尾根に三角点があるが、この東隣に長円形窪地Hがある。内径約3.5m程で、機銃陣地ではないかと思われるが、13mmにしては穴が大きい。またこの窪地の南隣に直径1m程の円形窪地がある。
遊歩道にかけて、長細い溝があるが、用途は不明。また遊歩道を少し西に行くと海軍標柱が建っている。






日付 呉海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和18年12月 機密呉鎮守府命令第319号、
防空砲台構築準備委員会に於て左の通第一着手として処理に決す、
12.7cm砲台として適
昭和19年3月 官房艦機密第157号(19.1.14)
「支那方面及内地防空砲台新設並に整備の件」訓令により防空砲台工事中、
砲台土工事のみ完了
昭和19年6月 12.7cm連装高角砲2基、官房艦機密第157号に依り新設工事中
昭和19年7月 12.7cm連装高角砲2基、官房艦機密第157号に依り新設工事中
昭和19年8月 新設砲台配員、准士官以上2、下士官14、兵35
12.7cm連装高角砲2基、官房艦機密第157号に依り工事中、8/24試射済、全量射撃可
昭和19年9月 12.7cm連装高角砲2基、官房艦機密第157号に依り工事中、全量射撃可
25mm連 2基 既設(13mm単の間違いか)
昭和19年10月 12.7cm連装高角砲2基、官房艦機密第157号に依り工事中、全量射撃可
士官1、准士官2、下士官兵71(19.10.20)
12.7cm連装高角砲2基、13mm単2門 既設
昭和19年11月 110cm探照灯1基
昭和19年12月 110cm探照灯1基
昭和20年1月 110cm探照灯1基
昭和20年3月 13mm単1 (1門撤去)
昭和20年5月 12.7cm連装高角砲2基 13mm単1門 既設
110cm探照灯1

新設防空指揮所(東山)作業(隧道作業)5/17着工、5/31迄30/100完了
昭和20年8月31日 引渡:
12.7cm連装高角砲 2基
2式陸用高射装置 1基
98式4.5m高角測距儀 1基
92式110cm探照灯 1基

用地、79530m2
兵舎他、木造11棟、795m2

用地:47080m2、建物:800m2



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