兵舎のある平坦地には、東に烹炊所、浴室、トイレを兼ねた建屋Iと、西に兵舎Kとがある。
建屋Iの寸法は、南北約10.3m、東西約5.6mで、南東隅にはかまど跡と思われるレンガとコンクリートの混合構造物が残っている。また中央部には浴槽跡らしい瓦礫が、そして北側にはトレイの基礎がある。また建物の四隅には天水用のコンクリート水槽があったものと思われるが、本来の位置にあるのは北東隅のみであり、南東のものは崖下に落とされ、また南西隅は半分壊されている。天水用水槽の寸法は発電所のものと同じである。
建屋Iの北西斜面には地下壕がある。奥行きは5m程であり、北面と東面とに棚が作られている。
兵舎Kの寸法は、南北約8.3m、東西約19mで、基礎を見るに廊下らしきスペースを挟んで南北2ヵ所に分けられていたようである。廊下らしきものの西端には敷石が置かれており、こちらが玄関だったのではないかと思われる。また建物の周りには6箇所に天水用水槽があったようだが、南北中央の2ヵ所のみしか本来の位置に無い。東側の2個は横倒しに、北西隅は遥か崖下に、南西隅は行方不明である。
また北西斜面には崩れた地下壕跡Jがあり、その西には海軍の標柱がある。
この平坦地の北端中央部から登山道が下っているが、本来の道は兵舎Kの西側から出ている道かと思われる。