小松町 聴音探照所(特設見張所)



米軍の航空写真(左:M114-48、右:同左の拡大、国土地理院)


国土地理院の航空写真(MCG626-C12-26、1960年頃)






2011.8.14探索

左:探照灯建屋の残骸、右:同左


左:指揮所の残骸、右:指揮所の瓦礫


左:聴音機窪地への入り口、右:聴音機すり鉢状窪地の内部


左:生活用水用水槽跡、右:水槽跡から兵舎平坦地を見下ろす


左:兵舎平坦地、右:同左の南端にある水槽跡


左:谷底にある発電機冷却用水槽、右:同左


左:発電機冷却用水槽、右:谷の南東側の平坦地



山口県周防大島の北西端付近に聴音探照所が造られていた。周防大島町役場の北北東にある254mピーク周辺に施設らしきものが写っている。

2011年夏に地元で史跡調査をされているSさんと山に入った。
ただ、いかんせん、真夏の山の中で蚊が多く、まともには調査できなかった。

ピーク部分には探照灯建屋の残骸がある。窪地に建っており、もしかすると当時は土に埋められていたかもしれない。その南西には指揮所跡がある。完全に崩されて瓦礫となっている。その更に南西には聴音機用のすり鉢状窪地がある。こちらは綺麗に残っているが、中央部の基礎は確認できなかった(コンクリート塊っぽいのはあったがアンカーボルトは未確認)。

聴音機窪地の南東下には兵舎の建っていた広めの平坦地があり、その斜面には生活用水用のコンクリート水槽が2基あるが、どちらも崩されて殆ど残っていない。兵舎平坦地の南端にもコンクリート水槽があるが、こちらは建屋の天水桶のようである。平坦地の北側には瓦礫が幾つかあるが、土に埋もれていて詳細は調査できていないものの、烹炊所や風呂場かと思われる。
兵舎平坦地の東下、谷底にコンクリート水槽がある。1960年頃の航空写真を見ると、この場所に2連式の水槽が写っていることから、発電機冷却用水槽と思われる。谷を挟んで南東側にも平坦地があるが、建物基礎のようなものは見当たらなかった。


別な時期に北東側から谷を登ってみたが、途中で薮に阻まれて進めなくなる。水が豊富に流れており、この谷に貯水池があったのは確かなようである。




日付 呉海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和17年2月 聴音照射所 調査中
昭和17年3月 特設見張所 将来要望
昭和17年8月 特設見張所(丁)工事施工内報済
仮称ヱ式空中聴測装置1、150cm探照灯(管)1
12cm望遠鏡3、7倍稜鏡4
電源装置1、通信装置1
予定内報施本機密第13033号(17.2.4)
電気及工学兵器装備の訓令官房機密第8038号(17.6.27)
施設工事施工内報呉建機密第21号ノ608(17.8.27)
訓令資料提出呉鎮機密第60号ノ1326(17.7.8)
施工内報に依る竣工予定(17.3.31)
工事中
昭和17年9月 特設見張所(照聴所)、丁乙、工事中
昭和17年11月 照聴所工事中
昭和17年12月 照聴所工事中
昭和18年1月 照聴所工事中
照聴所(丁)(第4砲台群)工事中
昭和18年2月 照聴所工事中
昭和18年3月 照聴所工事中
昭和18年4月 照聴所工事中
昭和18年5月 照聴所工事中
昭和18年6月 照聴所工事中
昭和18年7月 官房艦機密3560号(18.7.15)、電気及工学兵器装備工事完成期変更の件通知接受す
昭和18年8月 施本機密第2968号(18.8.4)、
板城村その他特設見張所(丁)施設工事要領変更内報の件接受
昭和18年9月 施本機密第2968号(18.8.4)、板城村その他特設見張所(丁)施設工事要領変更内報の件接受
施本機密工第1559号(18.8.14)板城村その他特設見張所(丁)施設工事要領変更の件通牒
変更完成期(18.8.31)
昭和18年10月 照聴所工事中
昭和18年11月 照聴所工事中
昭和19年3月 官房機密第10508号の訓令により工事中の照聴所完成
昭和19年6月 既設照聴所
昭和19年7月 既設照聴所
昭和19年8月 既設照聴所
昭和19年9月 既設照聴所
昭和19年10月 既設照聴所、150cm探照灯1、空中聴測装置1
昭和19年11月 150cm探照灯1、空中聴測装置1 完備
昭和19年12月 150cm探照灯1、空中聴測装置1 完備
昭和20年1月 150cm探照灯1、空中聴測装置1 完備
昭和20年2月 150cm探照灯1、空中聴測装置1 完備
昭和20年8月31日 引渡:
96式150cm探照灯及び同管制器、付属品補用品共、電動直流発電機 1基
仮称ヱ式空中聴測装置、付属品補用品共 1基
ディーゼル交流発電機陸上用40KVA220V三相60KVA配付 1基
建築物 兵舎1、其ノ他付属施設3

用地:9917m2、建物:400m2







ここから以下のページへいけます。