その他の防空砲台


浦入 防空砲台



右:米軍の航空写真(M1184-A-24、国土地理院)


浦入には日露戦争時に砲台が築かれており、ここに防空砲台を築く予定だったと思われるのだが、探照灯のみ配置されたまま工事が中止されてリストから消えてしまった。
すぐ東側に火力発電所が建設されてしまった為に浦入砲台は半分以上が削られてしまったものの、北側の砲座の一部と観測所は地形として残っているのだが、恐らくは立ち入り禁止になっているのではないかと思われる。



日付 舞鶴海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和16年12月31日 配員:0、2、8(准、下士官、兵)
昭和17年11月 防空砲台
昭和18年9月 配置図から消える





高尾山 防空砲台


場所不明。島根県の美保関にある高尾山か?
(美保基地は舞鶴鎮守府の下らしいので)

日付 舞鶴海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和17年5月 高尾山防空砲台他9件具申中
昭和17年9月 工事中





福知山 防空砲台



右:米軍の航空写真(R522-5-83、国土地理院)



右:米軍の航空写真(R522-5-85、国土地理院)


引渡目録内の小貝山防空砲台の配置図


福知山市街の東側、戸田の付近に海軍の飛行場が建設されていた。そしてその防空の為に戸田のさらに東側の小貝山に防空砲台が、また飛行場の南西の前田山に防空機銃砲台が配置されていた。
引渡目録内の地図を見ると、指揮所の東側に4門、西側の尾根上に3門が配置されているが、かなり投げやりな配置である。
航空写真を見ると、平坦地を掘削せずに砲座だけを削り取るタイプの砲台である可能性がある。

日付 舞鶴海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和20年6月 7cm野戦高射砲、工事中
配員:2、21、130(准、下士官、兵)
昭和20年8月 福知山航空隊引渡目録(C08011074200、アジア歴史資料センター):

小貝山:
88式7cm野戦高射砲7
90式高射尖鋭弾1199、2式瞬曳信管1199、伝火筒1199

4式射撃装置3型1、97式2m高角測距儀1、8cm高角双眼鏡1
3式旋回受信器6、3式信管秒時受信器6、3式俯仰受信器盤用6
3式通信器補用品筐1、発射用発信器移動握型1

前田山:
96式25mm連装機銃6、単装機銃10、機銃弾18400





吉坂 偽装砲台



右:米軍の航空写真(M879-171、国土地理院)


日露戦争時に堡塁が築かれていた。航空写真の東側の施設らしきものは堡塁の施設であり、これを利用したのか、それとも西側のちょこっと写ったものが偽装砲座なのか不明である。


日付 舞鶴海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和19年5月 5/22以降道路工事
昭和19年11月 偽砲台構築中
昭和20年4月 偽砲台構築完了





種寺 偽装砲台





登山関連のHPによると、多禰山の山頂付近に砲座の円形窪地らしきものが残っているそうである。砲台跡という看板が建てられているそうだが、恐らくは偽装砲台の円形窪地かと思われる。


日付 舞鶴海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和19年11月 偽砲台構築中
昭和20年4月 偽砲台構築完了





高野 偽装砲台





場所不明。西舞鶴市街の南西側にある茶臼山に何か写ってはいるが、小さくて砲座には見えない。平地に作られて、早々に田畑に戻ってしまったのだろうか。



日付 舞鶴海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和19年11月 偽砲台構築中
昭和20年4月 偽砲台構築完了





天台 偽装砲台




米軍の航空写真(左:M628-402、右:M879-173、国土地理院)





ここも場所がハッキリしないが、西舞鶴の東側に天台という地名があり、その南西側の山頂付近に何かが写っている。砲座にしては小さいが、作りが甘くてすぐに草に埋もれてしまったのかもしれない。山に入って確認するほか無いけど、大変そうである。


日付 舞鶴海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和19年11月 偽砲台構築中
昭和20年4月 偽砲台構築完了





眞壁 偽装砲台




米軍の航空写真(R524-2-12、国土地理院)




西舞鶴から西へ抜ける国道175号線の一本南を走る県道66号線の真壁峠付近に施設らしいものが写っている。ただここには一度特設見張所の敷地造成が行われており、写真に写っているのはそれの可能性が高い。ただ他に偽装砲台らしいところもなかったので、この作りかけの特設見張所を利用したものなのかもしれない。


日付 舞鶴海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和19年7月 特設見張所予定地敷地造成
昭和19年8月 造成工事完了
昭和20年2月 偽陣地並びに偽兵器装備完了





菅坂 偽装砲台



米軍の航空写真(左:M628-402、右:M879-172、国土地理院)




東舞鶴から南に抜ける県道51号線の途中にある菅坂峠付近にあったと思われるが、ハッキリとした場所は不明。峠のすこし北側に施設らしきものが写ってはいるが、鮮明ではないので断定はできない。


日付 舞鶴海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和20年4月 偽砲台工事中





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