弓張岳 防空砲台(田島岳 防空機銃砲台)

田島岳 特設見張所



2012.8.14 探索
2014.5.3 再探索


右:米軍の航空写真(R158-90、国土地理院)


米軍の航空写真(R158-90、国土地理院)


米軍の航空写真(左:R244-54、右:R244-45、国土地理院)


引渡目録による配置図



右:米軍の航空写真(R244-?、国土地理院)




左:S3電探の擂鉢状窪地の南縁、右:擂鉢状窪地


左:窪地の中心部、アンカーボルト等は無い、右:底から南縁付近を


左:西側の砲座、右:待避所は塞がれている


左:北側の砲座、右:縁は多少とも削られている


左:中央東下にある謎の構造物(指揮所?)、右:南東斜面のトイレ跡


左:北東下の建物跡、右:同左内部


佐世保市の北西にそびえる弓張岳と、更にその北に連なる但馬岳の尾根に、防空砲台が築かれていた。

弓張岳の方は、山頂広場の西と北にそれぞれコンクリート製の砲座が残っている。2基の砲座は早い時期の12.7cm連装高角砲用の砲座に近い形状で、他のの10cm高角砲の物とは異なった形状をしている。また南にS3電探用の窪地が円形野外コンサート場になっている。中央底付近はコンクリート敷になっているが、アンカーボルトらしいものは見当たらなかった。コンクリートがオリジナルかどうかは不明である。
また東側には現在貯水槽が建てられているが、その東下には何かの施設跡らしいものが残っているが指揮所だろうか。その北下にはレンガ製の建物の跡がある。初期の頃の指揮所かもしれない。
引渡目録には10cm連装高角砲が3基とあるが、明確に残っているのは2基だけである。3基目だが、R244-54の航空写真のS3電探の西下に砲座らしきものが写っている(R158-90だと不明確)。その場所は現在は道路の建設で削られたかどうかの微妙な位置にあるが、確認してこなかったので良くわからない。


航空写真(R158-90)を見ると、南西の現在は展望台になっている辺りに、電探らしい地形が写っている。特設見張所はここなのかもしれないが、現在は痕跡すら残っていないので確認のしようがない(探せば何かあるのかもしれないが)。



但馬岳:


左:建物の基礎、右:建物の基礎


左:山頂の平坦部、右:山頂の北東隅にある機銃座


左:機銃座の弾薬庫、右:機銃座の…何だろう


左:地下指揮所への階段、右:地下指揮所


左:地下指揮所を少し引いて、右:謎の円形水槽


但馬岳の方は、現在公園化されて遺構は殆ど残っていない。建物の基礎らしきものが何箇所かと、山頂の平坦面の下に地下指揮所、山頂の北東隅に機銃座が1基残っているだけである。
ここには日清戦争時に弓鎗という名前で陸軍の臨時堡塁が築かれていたようで(未確認、明治期国土防衛史の付図の位置から判断)、その後も陸軍の演習砲台になっていた。


但馬岳と弓張岳の間の西にある丘の上に円形の水槽がある。この大きさの割りに、各時代の航空写真(国土地理院)に写っておらず、何なのか良くわからない。



また、その北にある将冠岳の南側にも、砲座と建物らしきものが写っている。米軍の写真判定図では平射砲2門という記載があるのでこれかもしれないし、ダミーの防空砲台かもしれない。







弓張岳防空砲台、田島岳防空機銃砲台
日付 佐世保海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和16年12月 配備一覧
昭和17年2月 配置図:8cm2、90cm探照灯1、聴音機1
昭和17年5月 配置図:8cm2、40mm3、90cm探照灯1、英式聴音機1
昭和17年12月 官房機密171901号、発電機搬出中
機銃砲台配置図:40mm連2、40mm単1、13mm連2
昭和18年1月 発電機撤去完了
昭和19年7月 官房艦機密3500号、3610号、10cm連2、96式150cm探、完成
2式陸用高射器1、仮4号1型1、仮3式4号3型1、工事中
2式陸用高射器1、8/10に完成
昭和19年9月 仮4号1型1、仮3式4号3型1、9/21に完成
配置図:10cm連2、13mm連2、40mm連2、40mm単1
配置図:110cm探照灯1、90cm探照灯1、電波探信儀2
昭和20年4月 配置図:10cm連2、13mm連2、40mm連2、40mm単1
配置図:110cm探照灯1、90cm探照灯1、電波探信儀2
昭和20年?月 引渡(弓張岳):
10cm連3、25mm三2、13mm連2、13mm5
高射装置2、電探1、測距儀1、探照灯1、管制器1、発電機1

兵舎(240m2、木造平屋)1、指揮所(98m2、鉄筋)2
弾庫(110m2、隧道及平屋)3、発電所(124m2、鉄筋)1
付属家屋(181m2、木造平屋)1


引渡(田島岳):
40mm連2、40mm1、25mm連5、25mm3、13mm5




田島岳 特設見張所
日付 佐世保海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和16年12月 高射指揮所
昭和17年7月 官房機密13164号、電波探信儀装備予定、敷地造成着工
昭和17年10月 敷地造成完成
昭和19年8月 8/27、高島番岳から25mm連2を移装、25mm単1を装備
昭和19年9月 付表:特設見張所(戊)
昭和19年11月 官房艦機密3420号、須式90cm探、11/20還納
昭和20年1月 官房艦機密4170号、13号電探、11/26〜1/14新設完了
昭和20年4月 付表:特設見張所(戊)
昭和20年?月 引渡(引渡目録):
電探3、無線電信機1、電波鑑査機1

兵舎 木造平屋3 588m2、弾薬庫 鉄筋コンクリート平屋1 18m2
指揮所 鉄筋コンクリート平屋1 197m2、付属家屋 木造平屋2 220m2


引渡(米軍資料):
電波探信儀:2式1号1型 1基、3式1号3型 2基
無線送信機1、受信機11、12cm高角双眼鏡2、8cm高角双眼鏡1




鵜渡越 特設見張所
日付 佐世保海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和20年1月 官房艦機密4170号、13号電探、11/6〜1/15新設完了
昭和20年4月 配置図:電波探信儀1
昭和20年?月 引渡(引渡目録):
中波送信機1、短波送信機2、無線電話機2、無線電信機2、電波鑑査機1






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