寄船 防空砲台





寄船 防空砲台


米軍の航空写真(R244-103、国土地理院)


右:引渡目録での配置図


航空写真を見ると、佐世保湾の出口、寄船鼻の南にある養豚場付近に2基の砲座と、その東側に射撃用電探と思われる大型円形構造物(引渡目録には電探が無いので聴音機のものか)、その南北に探照灯と機銃らしき施設が写っている。しかし現在は遺構は殆ど残っていないようであり、あるとしても97m高地とその南のピークの2ヶ所くらいかと思われる。

すぐ近くには、明治期要塞である面高堡塁砲台(南西)と石原岳堡塁(南)とがある。面高堡塁砲台は戦時中も現役だったようで、28cm榴弾砲4門と平射砲2門のマークが記入されている。また電探の配置図には、この寄船鼻付近に陸軍の電波探知機2基(タチ6とタチ7)が建設中となっている。北にある琴平神社の社の西側に方形窪地が1ヵ所あり、形状などからタチ6の後期のものと思われる。





日付 佐世保海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和16年12月 配備一覧
昭和17年2月 配置図:8cm4、110cm探照灯1、聴音機1
昭和17年4月 官房機密1064号、高射砲台電気兵器移設訓令、4/20完了
昭和17年5月 配置図:8cm4、110cm探照灯1、ヱ式聴音機1
昭和18年3月 官房機密10120号、指揮所改築工事
昭和19年3月 3.10〜22、8cm4門と射撃盤を川棚へ移設
昭和19年9月 配置図:13mm連2、110cm探照灯1、ヱ式聴音機1
付表記事:官房艦機密第968号により一時備砲撤去中
昭和19年11月 官房艦機密6379号、12.7cm連、11/4設置完了
官房艦機密4992号、96式150cm探、11/8換装開始
昭和19年12月 11/8〜12/25完了
昭和20年4月 配置図:12.7cm連2、13mm連2、150cm探照灯1、ヱ式聴音機1
昭和20年?月 引渡:
12.7cm連3、25mm5、13mm連2
高射装置1、測距儀1、探照灯1、管制器1、直流発電機1、聴音機1、12cm双1、8cm双1

兵舎 木造平屋丙級3 540m2、兵舎付属家屋 木造平屋丙級4 70m2
探照灯員兵舎 木造平屋丙級2 85m2、探照灯付属家屋 木造平屋丙級3 30m2



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