四国の高射砲陣地




更新履歴:
2008.8.26 新規作成


参考資料:
「高射戦史」下志津修親会
「砲兵沿革史」偕行社砲兵沿革史刊行会
各種引渡目録(アジア歴史資料センター)
香川県県史




高松


左:米軍の航空写真(USB15-R13、番号は不明、国会図書館)

高松市北、高松城の北東にある朝日町の埋立地に高射砲陣地らしきものが写っている。

香川県史によると、昭和20年6月10日頃に大阪の高射砲第3師団から派遣された独立高射砲第45大隊の第3中隊で、高松港防衛の為に高松地方専売局東側の埋立地に陣地を構築した。装備は8cm高射砲6門で本来なら200名の人員だったが、6月7日の大阪での空襲で被害を受け、実際に派遣されたのは80名程だったらしい。
7月4日に高松が空襲された際にはまだ砲座は構築中で、空襲に対する応戦は出来なかった。ただ部隊の被害は少なかった為にそのまま構築を続け、その後に来襲した艦載機相手にはそれなりに活躍したらしい。
また高射砲部隊とは別に照空部隊も後に1個中隊が派遣され高松城内に駐屯していた。西方寺の浄水場の上付近に照空陣地を構築しようとしていたらしいが、高松市街が空襲で焼き払われてしまった為に7月末に広島に移動した。
(以上、香川県史)

ただ、100機前後で来襲するB29相手に高射砲6門は余りにも少なすぎであり、その6門すらも大阪が度重なる空襲によって価値が下がっていった為に漸く回す事ができたものであり、もうどうにもならないところまで落ち込んでいた事が判る。





新居浜


左:米軍の航空写真(USB15-R13、番号は不明、国会図書館)

新居浜市を流れる国領川の河口付近の右岸に、高射砲陣地らしいものが写っている。一般的な砲座と違って3-3の二重の扇型に配置されている。陸軍にしては珍しいので、もしかしたら別の用途の構造物かもしれない。

高射戦史等によると、高松と同じく独立第45高射砲大隊の7cm高射砲装備の1個中隊が新居浜市に派遣されている。




参考:四国の高射砲一覧
(把握している範囲)

場所防衛対象所属 要目 備考
高松都市陸軍 独立高射砲第45大隊第3中隊
8cm高射砲6門
高松空襲には間に合わず
高松飛行場陸軍 独立第59、60機関砲中隊?
20mm機銃8門
香川県県史による
観音寺航空隊海軍 7cm高射砲5門
25mm連9、25mm単12
詫間航空隊海軍 12cm高角砲4門、25mm単11、13mm単12
新居浜都市陸軍 独立高射砲第45大隊1個中隊
7cm高射砲6門
徳島航空隊海軍 12cm高角砲8門、探照灯2
25mm単26、13mm単14
徳島陸軍 独立第51機関砲中隊?
20mm機銃6門
砲兵沿革史による
小松航空隊海軍 25mm連3、25mm単5、13mm単6
松山航空隊海軍 12cm高角砲16門、12.7cm連装高角砲3基
25mm連54
探照灯11、射撃用電探1
高知航空隊海軍 12cm高角砲4門
25mm連8、25mm単13、13mm単49
浦戸陣地海軍 呉鎮第11特別陸戦隊
7cm高射砲3門、12cm30連装噴進砲6
25mm三10、25mm連46、25mm単4
13mm連1、13mm単37
浦戸陣地海軍 第23突撃隊
25mm単45、13mm単37
宇和島陣地海軍 呉鎮第12特別陸戦隊
8cm高角砲10門、25mm単24、13mm単5
宿毛陣地海軍 第21突撃隊
12cm高角砲8門
25mm単34、13mm単20
合計 高射砲:75門
機関銃:626+14丁




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