仁尾照空砲台







詫間の町の南西側にそびえる標高270mの高尾木山(たこぎやま)の山頂とその東側の尾根に照空陣地跡らしきものがある。立地と引渡目録の記録から、恐らくはここが仁尾の照空砲台かと思われる。
山頂と東側の尾根と2ヵ所にカウントしているが、合わせて1ヵ所である可能性も捨てきれない。

高尾木山の登山道だが、ある登山のHPの情報を基に南東斜面に建つ電波施設の脇から登ったのだが、一応赤テープが張ってあるものの道は荒れており、慣れない人にはお勧めできない。山頂付近を散策中、北側に下る登山道を見かけたので、もしかしたら本来はこちらが本道なのかもしれない。ただWeb上ではこの道の情報は引っかからなかった。





山頂部の探照灯





左:円形窪地Aを東側から、手前は窪地B、右:方形窪地B



左:円形窪地A、右:同左の南側の縁



左:方形窪地Cを北上から、右:同左の東隅



左:方形窪地Cの西隅、右:同左の西側にある石の階段



左:Cの南側に伸びる溝、右:同左の先にある円形窪地



左:Cの南縁に立ち東側を望む、右:Cの内部、東側



左:Cの南壁、右:Cの東側の出入口



左:Cの東側の通路、右:同左を東側から



左:平坦地D、右:山頂から北側を望む、右手前の山が塩生山





山頂の三角点に直径約3mの円形窪地A、またそのすぐ東側に約2m×1mの方形窪地Bがある。恐らくはAに探照灯が置かれていたと思われるが、少し小さすぎるかもしれない。Bは用途不明。
山頂から少し東に降りた、登山道の南下に方形窪地Cがある。大きさは約5m×3mで、東側に出入口、西側には山頂へ向かう石の階段が、南には溝の通路とその直ぐ先に直径約1mの円形窪地がある。用途は不明だが、探照灯用の直流発電機の置き場か、もしくは要員の待避所か何かかと思われる。また更にその東側には平坦地Dがある。用途は不明である。

管制器、もしくは探照灯の置かれた円形窪地が1ヵ所見つからなかった。三角点の西側は藪が酷くて余り探索していないのだが、もしかしたらまだここに何かがあったのかもしれない。





東側の探照灯





左:円形窪地Aの東側、右:同左の南側



左:円形窪地Aの北側、右:同左の中心にある岩



左:三日月型窪地Cを北側から、右:同左を南側から



左:円形窪地B、右:AとBの間にある通路跡



左:窪地D、右:同左の北端



左:窪地E、右:登山道から遺構を望む



左:登り口、奥の白い手すりの右下から入る、右:登り口付近から南の仁尾の町を望む





山頂から東側に下った尾根に、山頂とは別の一群の遺構がある。
中心となる円形窪地Aは直径約5mで、大きさから探照灯の物かと思われる。中央には50cm四方の岩があるが、探照灯の基礎らしきものは見つからなかった。このAの東側には三日月形の窪地Cがあるが、用途は不明。
Aの西側には直径約3mの円形窪地Bと、その間に通路らしき溝がある。Aと近いが、大きさから管制器のものかもしれない。基礎らしきものは見当たらなかった。
更にその西側には南北に長い窪地Dがある。直流発電機でも置かれていたのだろうか。また東西に走る登山道を挟んで南側に、直径2m弱の窪地がある。こちらも用途不明。

写真を見て判るとおり、尾根と言ってもなだらかで平地に近い。ただ藪が酷くて余り隅々まで探索していない。まだ他にも何かあるかもしれない。




砲台名 引渡目録による記事
仁尾照空砲台 110cm探照灯2、電動直流発電機2
工事中につき電路関係着手せず