猿島 防空高角砲台



左:米軍航空写真M46_A-7-2-100(国土地理院)


元々猿島には明治時代に陸軍の砲台が築かれていたが、昭和に入って海軍の防空砲台が造られた。記録には載っていなかったが、小柴崎や城山と同じく昭和12年頃に造られたのではないかと思われるが、推測の域を出ない。

航空写真を見ると、南側に2基の砲座が確認できる。これは12.7cm連装高角砲のもので、明治期要塞の第二砲台(24cmカノン砲)の胸墻の辺りに築かれている。また北側には4門の8cm高角砲砲座があるが、写真からは良く判らない。そして北と南の間に防空指揮所がある。写真を見るにとても空襲を考慮したものとは思えない造りをしているので初期に造られたものかもしれない。探照灯の位置は不明であるが、8cm高角砲近くの旧27cmカノン砲座に据えられていたのではないだろうか。まあ推測だけど。
現在は、8cm高角砲砲座4基と防空指揮所、12.7cm高角砲砲座1基が残っているようである。

明治期要塞と高角砲台については、横須賀市の猿島遺跡群の砲台紹介ページに詳しく説明が挙げられている。素晴らしい。




日付 横須賀海軍警備隊戦時日誌及び引渡目録による記事
昭和16年11月 8cm高角砲4、須式110cm1、ステレオ式2m測距儀1
下士官7、兵71
昭和17年5月 40mm連装機銃2基、5/30に1基のみ完成
昭和17年6月 官房機密第5409号、横鎮機密4号358、工事中(機銃)
昭和18年2月 部外電力引込装置、工事中
昭和18年8月 施設一覧:8cm高角砲4門
昭和19年3月 施設一覧:8cm高角砲4門
昭和19年11月 官房艦機密第6379号、8cm4門を12.7cm連2基に換装予定
昭和20年8月 引渡:
12.7cm連装高角砲2基、弾354発、2式陸用高射器1
98式4.5m測距儀1、97式2m測距儀2
96式150cm探照灯1、96式110cm探照灯1、25mm連装機銃1



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