春の日向遠征  民宿に泊まろう! その1

令和8年 2月21日~23日



南郷城の河津桜






 数年前から宮崎へ遠征に行こうという話は出ていた。しかしその便の悪さから、参加メンバー全員がはっきりと予定を立てられる状況が揃わなければならず、毎回のように先送りされてきた。

 昨年、Kさんが退職して暇を持て余すようになり、さらに週末すらも仕事で埋まっていたYさんも都合が付いたことで、2月後半の三連休に数年越しで日向遠征が成立することになった。
 そうなると勢いがつくもので、Iさん親子、そして熊本のSさんも加わることとなり、私も合わせて計6人、レンタカー2台の大所帯となったのである。

 当初は、宮崎空港から入る3名と鹿児島中央駅から入る3名とでレンタカーを割り振り、現地集合という予定だったのだが、宮崎空港の便がほぼ満席で取ることができず、結局飛行機組は鹿児島空港入りとなり、鹿児島中央駅近くでレンタカーを2台借りることになった。



 こうして各自の予定が固まった1月末、Kさんは目標の選定に、そして私は全員の宿と鉄道組のレンタカーの確保へと動き出した。

 早速ホテルの予約サイトで調べてみるのだが、今回集中的に回る予定の日南付近のホテルはほぼ全滅で、残っているのも1泊10万円オーバー。さすがに三連休だし、中国人旅行客が減ってもインバウンドは減らないし、冬の観光地だし、プロ野球がキャンプやっているし、こんなもんだと思っていた。ところがネット予約できないビジネスホテルに電話をかけまわっても全滅。旅館や民宿も駄目。さすがにここまで来ると何かがおかしいと気が付き、長期滞在者用の安ホテルで空きが無いとの回答を受けた際に「この三連休、宮崎で何かありましたっけ?」と聞いたところ、「侍ジャパンが日南でキャンプやってて、しかも日曜と月曜と壮行試合があるので、それが原因じゃないでしょうか」という答えが返ってきたのである。

「ああああああああ!!」

 こんな状態で、しかも今回は6名なので、とても宿が取れる気がしなくなった。

 しかし宿が取れなければ、既に購入済みの飛行機や新幹線のチケットをキャンセルして、日程もしくは遠征先を変更しなければならない。
 Kさんとも相談しながら粘り強く電話をかけ続け、1泊目は串間まで外してようやく民宿を、また2泊目は西都市の外れでこちらも民宿を、どうにか押さえることができたのである。


 民宿、しかも建物の外見からして昭和の香り漂うような民宿。そうした民宿に泊まるのって、何年ぶりだろうか。


 30年前。城の道に入りたてでKさんYさんに連れられて回っていた頃は、民宿に泊まることも多かった。
 旅館とも違う安っぽさ、狭い部屋に敷き詰められた布団、飾り気のない食事、風呂とトイレは共同、タイル張りやステンレスの洗面台。同室者の鼾がうるさかったり、プライベートが確保できなかったりで、個室を取りやすいビジネスホテルに泊まることが次第に多くなっていった。さらにオンライン予約サイトの登場が追い打ちをかけ、民宿はすっかりご無沙汰になってしまったのである。


 偶にはこういうのも良いかもしれない。鼾がうるさくて眠れなかったら、それはその時だと諦めもついた。

 改めて状況を整理してみるのだが、どちらの民宿も1泊2食付きで7000円。…え?値段も昭和のまま?

 ここ数年のインバウンドによるビジネスホテルの宿泊料の値上がりを見ていると、とても信じられない。
 あまりに安いので、そのままだと夕食もしょぼいかもしれないと、追加料金を支払って、夕食のバージョンアップをお願いすることにした。
 串間の民宿はOKだったので1人当たり2000円分をお願いしておいた。一方の西都市の民宿は、そういうのやっていないし、さらに酒も出せないので、飲みたいなら自分らで買って来てくれ、肴も持ち込み可。もちろん持ち込み料なんて野暮なものも取らない、という男気溢れる回答。何か、こうなってしまった以上、この境遇を楽しまなければならない。

 20年ぶりの民宿。そして初めての本格的な日向遠征。果たして美味しいチキン南蛮は食べられるのか?




2026年2月20日(金)

 仕事を終えて早々に帰宅し、早めの夕食。直ぐに支度をして広島駅へと向かう。
最終のみずほに乗り、鹿児島中央駅へと向かう。

 予約しておいた駅に近いホテルに入る。鹿児島らしく、芋焼酎が試飲し放題だったが、最初から水で割られていたのでガックリする。一泊。





2026年2月21日(土)

日向遠征1日目

 レンタカー屋に開店前から客が結構来ていた。さすが三連休。ここでYさん、Sさんと合流し、高速道路に入って一路都城へと向かう。そして都城の駐車場でIさんとIさんの娘さん、同乗していたKさんと合流する。




1日目の行程(国土地理院の基本地図を利用)





都城


左:駐車場から本丸を、右:本丸。奥の建物は天守閣を模した資料館


左:本丸にある櫓台、右:本丸


左:本丸と西城の間の堀、右:西城


左:西城から北を望む、右:池之上城




1948年頃の航空写真(国土地理院:USA-R95-1-15)

 城の範囲は広いものの、入れる範囲は狭い。そしてその入れる範囲は公園やら神社やらでワイルド感はあまりない。それでも土はシラス。そしてここにも防空壕の跡が残っている(西城の南西隅下)。






梅北城


左:新城西側、右:新城東側


左:新城西下の堀、右:同左


左:新城と中之城の間の堀、右:同左


左:中之城の北斜面、右:中之城の東斜面にある防空壕の上部


右:1948年頃の航空写真(国土地理院:USA-R95-1-15)

想像したよりも高低差が大きかった。新城の北側と東側の堀はすっかり埋め立てられている。新城は耕地放棄地で藪化。中之城は荒れ放題で入ることができず。
それから中之城の東斜面にコンクリートで補強された地下壕が残っていた(埋めてあったけど)






平松城


左:主郭のある丘、手前に四重堀切があるのだけど…、右:1つ目の土塁


左:堀切、右:2つ目?の土塁


左:堀切、右:3つ目?の土塁…だったっけ


左:主郭西側、右:主郭


左:主郭北下の郭、右:主郭西下の郭


右:国土地理院 基盤地図情報 数値標高モデル(全国Q地図)より

 四重堀切ということで期待していたのだけど、荒れている&ピーカンで、まともな写真が撮れずガックリ。
 ここも上下のメリハリがあるのだけど、藪でわからない。非常に勿体ない。





 平松城の近くにある「えんむすび」という店で昼食。自分は鶏天定食を注文。鶏天というよりも唐揚げに近い。美味しかった。





酒谷城


左:東麓から、右:東端の郭にある神社


左:神社の北の郭、右:神社の西の郭を下から


左:中央を東西に延びる堀、右:北側の郭を下から


左:郭間の堀、右:別の郭を下から


左:郭間の堀、右:中央の堀、西側




国土地理院 基盤地図情報 数値標高モデル(全国Q地図)より


1947年頃の航空写真(国土地理院:USA-M270-19)

 ここもシラスで上下のメリハリもあって遺構はすごいはずなんだけど、神社の敷地以外の郭は荒れていて立ち入れないので、郭間の堀を歩くだけになった。残念。




 飫肥城へ向かう途中、道の駅酒谷で休憩。駐車場に隣接する広場に植えられた河津桜が満開だった。焼酎や卵焼きを購入したが、人気の草餅も買っておくべきだったと後悔する。




飫肥城


左:大手門、右:大手門を内側から


左:大手門の南側の堀、右:同左から北へ延びる堀


左:本丸南下、右:本丸(飫肥小学校)


左:旧本丸、右:旧本丸


左:旧本丸、右:旧本丸北にある門


左:北東にある郭、右:同左にある田ノ上八幡神社




国土地理院 基盤地図情報 数値標高モデル(全国Q地図)より

 この辺随一の観光地。石垣はそれなりにあるし、復元された門とか屋敷とかあるんだけど、うーん。何だろう、この物足りなさは。本丸周辺は学校建設で削られた部分も多い。
 城とは関係無いが、門前の店で売られている揚げたての飫肥天が美味しかった。






南郷城


左:主郭、右:主郭東側


左:東を望む、右:南郷城産バナナ


左:東面の石垣、右:南下の郭


左:西角にある虎口、右:同左にある石垣



 道は狭いものの主郭部まで車で入れる。
縄張りとしては大きなほぼ正方形の主郭の南東と南西に狭い郭が1つづつあるだけの、シンプルな構造である。この付近では珍しく石のある山で、郭の周囲に石垣がある。
 南東からの眺めが良い。そして何故かバナナの木が植えられており、実も成っていた



 以上で本日の予定は終了。串間へと向かう。途中でIさんのレンタカーとはぐれたり、ローカルスーパーに立ち寄ったりしつつ、ようやく民宿へと到着する。





 今日の民宿は築50年くらいの鉄筋2階建て。部屋はほぼ全員個室で、浴衣こそ無いものの、ポットやお茶は用意されていた。冷蔵庫は廊下に共用の物があり、名前を書くマジックも備え付けられている。

 我々6人しか泊まっていないのだけど、風呂に2人づつしか入れなかったので時間がかかった。




左:宿の基本の夕食、右:追加された料理

 夕食は1階の食堂にて。
 基本の料理はトビウオか何かの刺身に、カレイの煮つけ、鶏もも肉のソテー、螺貝、小松菜とハムの和え物、高菜とワカメの和え物。
 2000円追加したので大量の刺身(写真の物で2人前)とおでんが増えていたが、量が多くなり過ぎた。そもそも、量こそ正義という価値観の田舎にある民宿で、食事の質だけをアップグレードするような器用さを求めてはならない。基本の料理については美味しかったし、食事の量も丁度良かった。この宿のおばちゃん、料理が上手い。余計なことをしなければ、夕食の満足度は高かった筈。


夕食後、ゲームの会。チケットツゥライド。単純だけど難しい。






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