「天気晴朗ナレドモ波高シ!」明日の日本という重責を背負って、大国ロシアの大艦隊に決戦に挑んだ日本艦隊は、完勝の名に相応しい決定的な勝利でこの戦争に幕を引きます。
世界の目のほぼ9割以上は、この戦争の結末をロシアの勝利で終わることを疑っていませんでした。それほどまでに実力の差があった大国と弱小国の戦争だった日露戦争。この世界を驚かせた日本の勝利が、日本の国際的な地位を大きく高めたのは動かぬ事実であります。歴史小説や伝記を好んで読む私がもっとも興奮したというか、世界を相手に日本が行ったこの壮大な出来事に大きな感銘を受けました。模型とは全く関係ありませんが日本の事実として、歴史として知ってても良いかなと思います。不謹慎ではありますが、単純に勝利するお話ですし、物語としてもとてもドラマ性が強いと思うので、万人におすすめできると思います。
小説 「坂の上の雲」 著:司馬遼太郎・・・・とにかく、この小説が一番面白いと思います。 有名な作品ですしね。児島 襄 (著)のも詳しい ですが、読みやすさではこちらがおすすめです。 2008年の予定でNHKが大河スペシャル化を予
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漫画 「日露戦争物語」 作:江川達也・・・・まだ連載中ですが、このテーマを真っ正面から 描いている唯一の漫画です。漫画があるだけで も凄い! |
そんでもって肝心の春日なのですが、日露戦争の大きな軸として陸戦と海戦と情報戦と分かれる中で、
海戦に絞った話になるのですが、「日本海海戦から100年〜アルゼンチン海軍観戦武官の証言」という本が出版されています。
これはイタリアのジェノバ港で建造されていた2隻のアルゼンチン籍の巡洋艦の当時、建造監督と儀装の責任者
を務めていたアルゼンチン海軍のアンドレ・ドメック・ガルシアさんが残した記録から作られています。
この春日・日進の2隻の巡洋艦は、当時のアルゼンチンの宿敵チリとの戦争の為に建造されていた巡洋艦で、チリ側も
イギリスに2隻の巡洋戦艦(トライアンフ・スウィフトシャー)を建造していました。両国の紛争がイギリスの仲裁
により終結を迎え、その条約にお互いの建造中の艦船を売却することが盛り込まれます。もちろん、その2隻の売却の情報は
ロシア側にも入っていましたが、アルゼンチンは最終的に日本を売却先に選び、
その縁からかガルシアさんを観戦武官として日進の乗艦を特別に許します。
売却が決まって、イタリアのジェノバ港から日本への回航はイギリスのアームストロング社が請負い、
イギリス人とイタリア人の手によって横須賀に入港します。
このドメック・ガルシアさんは後のアルゼンチンの海軍大臣としてトップを務める方なのですが、
この方が残した記録は客観的で、時には日本側の間違いもしっかりと指摘する冷静な分析があり、
日露海戦を正確に把握するには良い資料だと思いますので、興味のある方は一読してみて下さい。
そんな春日・日進の縁からか、今でもアルゼンチンの外交で日本に訪れる時は、三笠記念艦への訪問は
恒例の行事となっっているそうですが、そんな隠れた歴史や背景って面白いですね。このイタリアと
アルゼンチンと日本と三ヶ国に渡って籍を移した経緯と縁は、この船を語る魅力の一つだと思います。