主要部






主要部の全体図




山頂部:




左:円形窪地Aを西から、右:同左を東から


左:円形窪地Aの中央部のコンクリート基礎、右:同左のアンカーボルト


左:平坦地Bの南側の土塁とベンチ、右:平坦地Bの西側


左:平坦地Bの南下と階段、右:同左付近から見た樺島


左:Aの南西下の円形窪地、右:円形窪地Aの縁部


左:円形窪地Cの内部、右:同左を北東下から見上げる


左:平坦地Bの西下、右:同左から西へと下る尾根道
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山頂の東側に、円形窪地Aがある。内径約9mで、中央にはコンクリート基礎がある。基礎の半分は土に覆われているが、並びから全部で8本のアンカーボルトが半径約2mの円周上に並んでいるものと推測されるため、11号電探の基礎ではないかと思われる。地表に出ている範囲では、3本のアンカーボルトが抜き取られてしまっており(未施工の穴の場合、角や表面がもっと綺麗である)、1本のみが残る。
山頂の西側は平坦地Bとなっている。南側に土塁が少し残り、また西の茂みの中に方形窪地がある他は、これといった特徴は無い。AとBの間の南側には下へ降りる通路と円形窪地がある。この円形窪地の径は1m強で、蛸壺か何かかと思われる。
Aの北東下には円形窪地Cがある。内径は約2.5m程で、北東下側を石垣で組んでいる。恐らくは13mm機銃の銃座かと思われる。




尾根中央部:




左:円形窪地Dを南東から、右:同左を西から


左:円形窪地Eを南東から、右:同左を西から


左:切出し平坦地Fを西から、右:同左を北から


左:電探室G、右:同左の出入口(蓋をしている)


左:出入口から北を、右:Gの北西隅


左:Gの中央にある溝を北から、右:Gの東端にあるコンクリート基礎


山頂から西へ伸びる尾根上に、銃座や電探室がある。
東には2基の円形窪地DとEが並んでいる。共に内径は約2.5mで、13mm機銃座かと思われる。またEの西には1畳くらいの広さの切出し平坦地Fがある。用途は不明。
その西には、電探室Gがある。作りは北の電探室Nとほぼ同じである。1辺130cmのコンクリート製の出入口には後から落下防止にステンレス製の蓋がされている。出入口の北には平坦地が出ているが、地下室の上に石や土をかぶせたさいに出来た形かもしれない。また出入口の東隣には南北に細長い溝がある。北側の電探室ではこれはコンクリートで作られており、推測だがこちらが本来の出入口の跡で、コンクリート製の正方形は特設見張所戊施設標準の図に書かれているところの脱出口かもしれない。溝の東にはコンクリート基礎がある。1辺約40cmの正方形で、中の穴は1辺約10cmである。恐らくはアンテナを回転させるための軸が出ていたのではないかと思われる。




尾根西端部:




左:円形窪地H、右:同左、内面はコンクリートで迷彩塗装の跡がある


左:方形窪地Iの西側、右:同左の東側


左:方形窪地Iを西から、右:方形窪地Iの内部、南西隅



電探所Gの南西下には円形窪地Hがある。内径2mで、内側はコンクリートで固められ、また迷彩塗装が残っている。同じく13mm機銃座と思われる。本来はこのようにコンクリートで土止めされるものなのかもしれない。
その西には方形窪地Iがある。南北約4m、東西約8m、深さは平均約2mほどで、何も施工されていないものの内面がかなり綺麗に残っている。建物をこうした方形窪地内に建てることで耐爆性を持たせる事もあるが、南西隅が多少窪んでいるものの出入口という程でもなく、建物があったかどうかはわからない。