阿万 海面砲台













上側の砲座


左:上側の砲座、右:上下の繋ぎ目がはっきりとしている



左:砲座角部の切れ込み、右:迷彩跡?



左:開口上部の偽装網を掛けた鉤、右:鉄筋は平たい



左:内部北側、右:内部南側



左:天井の通気口その1、右:通気口その2



左:天井のフック?、右:内部から外を見る



左:砲座の正面北側の瓦礫、右:砲座正面の平坦地



左:砲座正面の景色、右:南西側から砲座を



左:砲座東上の削り取り部分、右:同左の東上の陥没部





上図のAが上側の砲座である。鉄筋を採取する為に半分ほど破壊され、更に内部も奥側が崩落しており、完全に埋まるのも時間の問題かもしれない。
構造は淡路由良の物とは大分異なっている。分割して造られたのか接合部がはっきりとしており、砲座正面上部には偽装網を取り付ける為と思われる鉤が付けられている。砲座正面の造りも凝っており、角部には切れ込みが入っている。内部天井にある通気口は3ヶ所もある。ただ天井部分の厚みは淡路由良と同じく30cm程しかない。
砲座の東側の斜面は、淡路由良のものと同様に削り取られている。そしてその更に東上の斜面には円形窪地があるのだが、こんなところに機銃座を造る訳も無く、恐らくは砲座内部が崩落した際に陥没して出来た窪みかと思われる。
方向はほぼ西を向いている。




裏側のトンネル


左:南東側のトンネル予定地?、右:同左の東側の平坦地



左:真中のトンネル、右:同左の東側の平坦地



左:真中のトンネル内部、右:同左の行き止まり部、狸の巣になっている



左:北西側のトンネル、右:同左の東側の平坦部



左:北西側のトンネル内部、右:同左の行き止まり部、下っている



左:謎の石垣構造物D、右:同左





砲座の反対側Cには、2基の掘りかけのトンネルと、トンネル予定地?1基がある。
真中のトンネルが一番長いが、それでも10m程で行きどまっている。途中で2ヶ所程折れており、大体の方向から上側の砲座へと通じる予定だったのではないかと思われる。北西側のものは直ぐに行きどまってしまっているが下っており、下側の砲座へと延びる予定だったのではないだろうか。南東側の竪堀のようなものは、恐らくは3基目のトンネル予定地だったのではないかと推測してみる。そしてそれぞれの入口の前には平坦地が造られている。
また同じ谷には半円状の石塁のようなもの(D)があるが、用途は不明である。






下側の砲座


左:完全に瓦礫と化している砲座、右:砲座の東上の削り取り部



左:鉄筋の跡のあるコンクリート片、右:砕かれたコンクリート



左:砲座前面の平坦地、南側、右:同左、北側



左:連絡路途中にある水槽E、右:左上から降りてきた連絡路が右下へ降りている





上側の砲座の北西下辺りに、下側の砲座跡がある。鉄筋採取の為に完全に破壊されており、辛うじて鉄筋跡のあるコンクリート片にその面影を見るのみである。
砲座の東上の斜面には、同様に削り取られている。上側の砲座Aからこの砲座まで連絡路が設けられているのだが、削り取り部分で道が切れてしまっている。崩壊が進んで道も崩れてしまったのか、別に伸びていたのを見落としているだけなのかは不明である。また連絡路の折れ角部の近くに水槽らしきものEがある。
恐らく、砲座は北西の方向を向いていただろうと思われる。







対空機銃の銃座、他


左:南側の銃座、右:同左



左:南側の銃座、右:北側の銃座



左:南側の銃座、右:同左



左:林道(地図点線)の途中にあった平坦地、右:軍道?(地図赤線)の途中にあった平坦地


砲座のある尾根とは別に、北側に伸びる尾根上に2基の機銃座らしき円形窪地がある。内径は4m弱であり、25mm単装機銃かもしくは連装機銃のものかと思われる。銃座以外にはそれらしいものは見当たらなかった。


また銃座の近くを通る林道と、砲座へと登る軍道らしき道に、削り出しで造られた平坦地があった。砲座の関連施設跡かもしれないしそうでないかもしれない。